走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

じれったい

2017年02月22日 | 仕事
どこに住もうと、どうやって日々を過ごそうとも、何を食するのかも、どんな治療を受けるかも全て個人の自由だとわかっていても、んんんんージレンマだと感じてしまう。

50代前半の彼女は、自分が幻覚に悩まされている自覚が全くない。被害妄想が強く誰も自分のことを信じてくれないと嘆く。家族にも見放され、ホームレスとなり何年。

入院歴を調べると6年前同じような状態で、警察に保護され、入院、治療に至っている。しかし、本人曰く、私に悪いところは何もないのに薬漬けにされたから、処方薬は飲まないことにした、と言う。

地域ケアで最後に診てもらったのは退院4ヶ月まで。その後の記録が途切れている。

治療が必要なのに本人は自覚がないから、治療をする気ゼロ。どうしましょう?

被害妄想が強いけれど他人や自分を傷つける計画はないので強制入院にはならない。待つしかない。本人に自覚が生まれるか、症状が悪化するまで、何も出来ない、、、。

毎回、思う。なんてじれったいんだと。

今朝はすっぽり霧に包まれました。春の訪れを感じる今日この頃。




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