走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

指揮者

2018年07月05日 | 仕事
今回の旅の目的は16日のシンポジウムと出来るだけ多くの診療看護師と会い、現場の声を聞く事。そんな中でこんな会話がありました。

私は看護師なので全部自分でやっちゃいます。

以前にも書きましたが、看護師は何でも屋。看護師ほど他の医療職と被っている職はありません。だから何でも屋でやろうと思えばなんでも1人でできるのです。

私はその何でも屋の看護師からナースプラクティショナー(NP) になりました。その今は、自分を何でも屋と呼ぶでしょうか?

はい、何でも屋です。しかし看護師時代に比べてはるかに、やろうと思えば、、、は減り自分ですることより、チームにデリゲートする方が増えました

Delegate : entrust a task or responsibility to another person

他の人が執行できるように任せる方がずっと多くなりました。デリゲーションは事象に対し必要な項目が明らかで、先を見通す事が出来る人の高い技です。私はこの役目をオーケストラの指揮者の役割と重ねます。

楽器と演奏者を知り、自分が作り上げる楽曲を熟知し、それを奏でるためにそれぞれの演奏者に指示を与える。これが指揮者です。

演奏者が様々な医療職で楽曲が患者治療。何でも屋であるからそれぞれの演奏者や楽器の事を知っている。だからより良い音楽を奏でる事が出来る。

もちろん看護師が指揮者になる事だってあります。しかし看護師は診断と治療の楽器は持っていないのです。医師は療養上の世話の楽器は持っていません。NPはその両方の楽器経験があるからより良い指揮者になれるのです。

レコーディングシステムは発展しました。1人でいくつもの楽器を演奏して、後で重ねて曲を作りあげる事も出来ます。しかしそれがオーケストラによって演奏されたものを勝る事はないでしょう。それと同様、1人で何でもするよりチームにデリゲートする方がより良い医療のアウトカムに繋がるのです。

あなたは1人オーケストラですか?それとも指揮者ですか?



日本にはお上品な飲茶がある。バンクーバーには絶対ない。デザートもお上品だった。

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