走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

躍起になる 2

2018年06月04日 | 仕事
昨日の続き

尋常でない友を見て何とかして助けたいと思うのは友だから。しかし、本人が治りたいと意思表示をするまでは周りは何もできないのが法律なのだ。その例外は2つだけ。自分か他人を害する危険があるときのみ。

私は彼女たちの気持ちを肯定しつつ上記を噛み砕いて説明しました。例外の場合は躊躇せず警察を呼ぶことも。

その友達の親にも学校のカウンセラーにも同じ事を言われ、それを大人は見て見ぬふりをしていると解釈していた彼女たち。

何もしないのではなく、何もできないのだ。周りがもどかしいと思っても人間の意思の自由を尊重する法律は、個人がリスクを選ぶ事を優先させるからだ。

Choice of live at risk

なのだ。

セルフケアについても話をした。彼女たちのイラつきが伝わるからだ。病んでいる友を前にして無力な自分を自覚するのはつらい。助けられないから無力だと考えるのではなく、見守る、寄り添う事も十分な事であることを自覚して欲しい。踏ん張って欲しい。


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