走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

SNSの使い方

2019年07月16日 | 仕事
私はSNSを使用して啓蒙活動を行うことを悪い事とは思っていません。自分自身もこのようにブログ、ツイッターをしています。目的は海外での看護を日本の看護師に知って欲しい。日本の看護界の発展に役に立つこと。そして日本ではまだまだ馴染みの少ない(忌み嫌われる、もしくは理解されない) 精神科系疾患、薬物依存、ホームレスやトランズジェンダーについて正しい知識を多くの日本国民に知って欲しいから。

もちろんSNSの個人的な利用もあるでしょう。しかし個人的な理由ならば職業を名乗ったり、職業について語るべきではないと思っています。何故なら、個人の意見のはずが職業を名乗ることで、職業を代表して言っているように一般の人にとられてしまう可能性があるからです。

先日ツイッターで読んだ日本の看護師は仕事で出会った患者について、自分の考えを書いていました。思いが沢山あって時間をかけて書いた過去の関わりの振り返りでした。私はその内容が看護師と言うプロである根本的な部分に間違いがあると思いました。私が書いたコメントは

意思決定、基本的人権の尊重を正しく理解して欲しい。医療者は医療に関するサポートを行う職業で人生のガイドではない。自己の価値観を患者に押し付けるのはプロとしてあってはならない。誰を看護しているのかも忘れてはならない。対象は患者で患者の許可がなければ家族の入る余地はない。

このコメントから、この看護師が何を書いていたか想像がつくでしょう。この看護師のブログを読んだ人は看護師を信頼できるでしょうか?健康に関わるサポートを受けたいと思うでしょうか?名前を出しているかどうかではなく看護師と名乗っている時点でアウトです。

私の免許を管理する団体もSNS活動を厳しくモニターしています。理由はこの看護師のような記述が世に出ることや直接ケアをしていない一般人にSNSを通して医療アドバイスをするなどはあってはならないことだからです。これらをすると免許が一次的もしくは永遠に取り上げられる処分を受けます。何故なら軽率な行動や発言が看護という職能団体全体の評価を下げるからです。雇用主も同じで解雇という行動に出ます。そんな看護師を雇っていることから雇用主のイメージダウンに繋がるからです。

逆に堂々と自身の写真と名前を公表し、しっかりヘルスリタラシーの向上や職業間でのネットワークの拡大に貢献している医療者は大勢います。ここでもまた、日本では何故SNSをしてはいけないかの理由を考えることもなく、何をやって良いかどうかだけが広まっているのではないでしょうか(Why よりToDo)?

ハンドル名を変えても、住所をごまかしても、プロとしての確固たる知識と行動が伴わないのなら看護師と名乗るのをやめるか仲間内だけの非公開にして欲しいと思いました。

そして日看協さん、これも看護師の質の確保のための大切なポイントで、貴方の課題ですよ。



帰国後お家の庭でまったり、、、


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