走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

ポリシーと学会

2020年10月21日 | 仕事
やっぱり週末を学会参加に使うと例えオンラインと言えども次週が辛い。疲れで頭がぼーっとしている。あああ、辛い。この1週間を乗りきらなければ、、、

学会の中で何度か出てきた話。ポリシーvs 患者。

北米で処方麻薬量が突然上昇した時期があった。それを引き金にした製薬会社は損害賠償を支払までにも至った。

何が変わったかご存知ですか?

痛みを十分治療されていない現状に対してポリシーが変わり麻薬処方を推進させた。その結果処方量が増え、処方麻薬から麻薬依存になる患者が増えた。

それを受けポリシーが再び変更され麻薬処方を規制させる動きへ。まるで振り子が大きく振り切るようなポリシーの変更です。

しかしその狭間で患者はどうなったのか? 処方者を失い、依存と言うレッテルを貼られ、挙げ句の果てには違法薬へ手を出してオーバードースで死亡する。超簡単に言うとこうなるのです。

医師はポリシーの変更で、免許を無くすと困るから麻薬はもう処方しない、と患者に対してドアを閉めたと言うわけ。ポリシーが患者の健康へ及ぼす事を示す良い例。

本当に必要なのは規制の強化ではなく正しい教育、指導、移行期に対する対応なのに、それがないために生み出された病気との図式が成り立つ。

学会では、そう言う患者たちに対して自分たちは責任がある!と熱く語った医師たちがいた。そして新たなポリシーチェンジを願っていた。ポリシーを変えるのもこういった学会や研究。熱い思いは必ず政府を動かす。未来も変える。語り続ける活動が大事だと感じた学会でした。


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