走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

障害者に優しい街づくり

2018年08月09日 | 仕事
20年前にバンクーバーへ来た時、街が車椅子や歩行器を使用する方にとって過ごしやすい街になっている事に驚いた。エレベーターは多く設置され、階段が少ない。公共施設でないビルの入り口の5段の階段さえ脇にエレベーターか緩やかなランプが付いている。

バスは車高が変わり足が上がらない人用にステップが低くなる。バスの中は平らで移動しやすい。そして車椅子やベビーカー、歩行器を使用する人にはランプが出てきて苦なくバスに乗れる。そしてバスの中も車椅子を駐車(ロックできる)できる場所がある。

で、今回の日本旅。東京、横浜、岡山、広島、鳥取、島根へ行ったわけですが、このように感じたことが未だない。

東京メトロは昔に比べてエレベーターが増えた。でもタクシーの運転手にエレベーターがある入り口で下ろしてください(荷物が多かったので)と頼んでも、どこかわからないと答えが返ってきたのには絶句した(知らなくても良い。しかし調べようとする姿勢が見てみたい。交換台に聞くとかスマホで調べるとか)。

JR全般にも主要駅にはエレベーターが付いている。しかし数が少なくエレベーターが超小さいので順番待ちも長い。

そして1番最悪なのがバス。先に書いたようなバスは存在せず、足元の悪い方が乗れるようなものではない。2度、乳母車を押す高齢者の方を手伝った。超高齢化社会を迎えるのに、年寄りは家にいろ!っと国としての姿勢を示しているように思えました。

この他に外国人が異常に思う日本の景色ってなんだかご存知ですか?

視覚障害者誘導ブロック(黄色で丸か長方形のボコボコで道を知らせるパネル)

これを海外で見た事がある人?いないですよね。日本独特です。
ではこれを利用する視覚障害者の方を1日10人以上見た事がある人?いないですよね。利用者が低いのにどこにも張り巡らされているこのブロック。そしてこの道をスーツケースを引っ張りながら歩くのはとても難しい!なので外国人は一体これは何なんだ?!と思うのです。

スーツケースを運ぶのが難しいと言うことは車椅子や歩行器利用者にも難しいという事。足底が上がらない人にとっても歩きづらい道だと思います。ここでも障害者に難しい街の印象を与えます。

視覚障害者を疎んでいるのではありません。物事は利点、不利点を天秤にかけ、利点が多いものを選ぶべき。海外ではこのようなマーキングより、盲導犬(seen eye dogと英語では言います)の利用率が高く、信号機には 日本のように音声で知らせる仕組みが導入されている。これらにより視覚障害者は十分安全に外出する事が出来るのです。北米は視覚障害者にも足元が悪い方にも優しい街なのです。

オリンピックとパラリンピックまであと2年ですよ!



実家で見た最後の夕日。綺麗な色でした。


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