走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

日本の准看制度

2018年08月20日 | 仕事
日本では看護の水準をあげるために准看制度を止めさせようとする動きがあるのですね。果たしてそれは看護の水準をあげる良策になるのでしょうか?

何度も書いていますが、水準をあげるのはそう言う事ではないと思うのです。

で、カナダへ行って驚いたことの1つにナースと言うタイトルが守られている事があります。
Licensed Practical Nurse (日本で言う准看)
Student Nurse (看護学生として医療機関で働く場合にこのタイトルを保持しなければならない。看護学生に自動的に渡されるタイトルではない)
Registered Nurse (正看護師)
そして今は
Nurse Practitioner が加わった。

免許を持っていないのに自分の事をナースと呼ぶと犯罪にもなるのだ。これらは特に国外で看護師の免許を持っている人、なんらかの理由で免許を剥奪された人などに注意される事だ。だって州民にとって免許があるかないかは直ぐには判断出来ない事だから(免許保持者の情報は公のものなので調べれば直ぐにわかる事ですが、そう言う事を知らない州民もいるわけ)、看護を知っていても登録されていない。それでは免許を発行する団体としては看護の質を保証しませんよ、と言う事です。ナースは免許発行団体がその水準を保証できる人だけに許されたタイトルなのです。

私は日本が看護師を全部ひっくるめて看護師と呼んでいるところに問題があると思う。そしてそしてそれぞれの職種の違いが不明確で最低基準となるものも存在しないため、准看と正看護師、そして最近は数多くの新しいOO看護師が増えた割には、一体誰が何をしてどんな違いがあるか明記されず、個人の解釈に任せているところだと思う。

准看からコツコツと教育を受けてキャリアパスを進んだ人だって知っている。たまたまこのキャリアに入った入口が准看だっただけで、そこから始まることは決して悪いことではないと思う。そして准看制度が看護の水準を妨げているとは全く思わない。特に医療の高度化により医療職のランドスケープも変わったのだ。制度廃止に力を入れるのなら、それぞれのタイトルを明確にする事に力を入れてはどうですか?



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