走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

ライム病と彼女 その4

2016年11月30日 | 仕事
ハーブで治療しても彼女の症状は良くならなかった。そして彼女は15人以上の医師を訪ねるようになった。それは救急室も含む。どこへ行ってもライム病はないと言われ、追い返される。

不定愁訴として扱われた彼女。

かかりつけの医療者がいなかった彼女は、あっちへこっちへさまよった。

最悪のケースだ。救急室の利用など医療費はかかるが、彼女の症状は良くなりません。彼女の挑戦は続きます。

私は過去に遡っているので、その時、その時に関わった人より、物事が見えてくるのは当然だ。だから言えるのかもしれないが、どうして誰も精神科医へ紹介しなかったのだろうか?いや、もしかしたら、紹介しようとしたけれど、彼女が拒否したのかもしれない。少なくとも精神科へ入院した時は誰かがそうできるように手配したのだ

診断の遅れ、治療の遅れ、それが彼女をホームレスへと導いたのだと思う。そういう理由でホームレスになる人は彼女一人ではない。大勢いるのだ。ホームレスだけではない。自己治療的に薬物を始める人もいる。メンタルヘルス、薬物依存、ホームレスの3つの事象に繋がりがあるのはこう言うことからだ。

長い道のりが彼女を待っている。上手くいくと良いな。シリーズ終わり。



週末のデート。カフェでカップのスリーブ(熱くても持てるようにするものを英語でこう呼びます)がサンタのベルト仕様でした。

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