日本のAPNの方々と話していると、よく出る言葉
マネージメント、 管理
これらの能力をつけなくてはならない、、、と聞きます。聞くたびに私は????となります。
以前にも書きましたが、北米では修士課程の実践系、研究系、管理系でストリームが異なります。管理系はマネージメントとは言いません。アドミニストレーションと呼びます。ストリームが違うくらいですからAPNのような実践系はアドバンスレベルの実践家になる為に進学するわけですから、アドミンに興味はありません。別物なんですよ。
で、マネージメント能力とか、管理能力と言うと北米でどんな印象を持たれるかと言うと、、、
管理というのは出来上がったシステムを管理する能力。例えばトヨタは自動車業界の一任者で大きな組織であり、その歯車がうまくかみ合うように管理は大事。出来上がったものを維持するって事。決まった箱の中で、既に出来上がった歯車をどう動かすか?箱の中を上手く回すか?そう言ったところ。それにはあまり学は必要ありません。中身を理解して、潤滑油を適宜使えば良いのだから。
私が日本の看護界で欠けているのは断然リーダーシップだと思っています。管理が強すぎてリーダーが育たない現状が日本の発展を阻んでいると私は思っています。だからリーダーシップの鏡のようなAPNが重要となってくるのです。
先の日本の大組織に戻って。日本のトップ企業で最近起こっている事は?世界から置いてけぼりを喰らっていますよね。もう誰もソニーやパナソニックをトップ企業と呼ばなくなって久しい。それは企業界の新競争についていけなかったからと言われています。新競争とはイノノベーション。成熟した企業はそれを管理するだけではなく、新しいアイデアを取り入れる、つまり箱の外を考え、箱の中も変えられるリーダーシップが必要だったのです。日本の企業はそれが欠けていたのです。あら、日本の看護界と似ていませんか?がんじがらめの管理の中で若手が育たない。考えることを許されない。過去に従うことを奨励される、そんな世界でしょうか?
最近の北米の企業も医療界も管理能力よりリーダーシップ能力に重きを置くようになりました。先の例のように組織はそれなしでは死んでしまいますから。だから評価だって、以前に書いたようにリーダーシップ重視です。
で、一番最初の看護系大学院のストリームが3つに分かれていると書きました。正確に言えば実践と研究を選ばない人が取る学科が管理者向け、になっている。しかし管理を学ぶのではなくてポリシーメイカーとして必要な思考能力を鍛える科目といったほうが良い。ポリシーがヘルスケアに与えている影響を深く掘り下げる科目です。何せ医療システムを施行していく人になるのですから。これまたスケールの違うストリームというわけです。
だから管理能力、、、と北米で言うと????と言われますよ。
箱を箱のままで維持していく能力なんて修士以上の人が学ぶ事でもないし、大学院はそんな事の為に存在しているのではない、と知っておくべきだと思います。
冬の暮れの散歩。空に惹かれる。