過去のまとめ
DNRもDNARも患者本人の意思表示であり、指示できるのはカナダの場合医師かNPだけ。
カナダでは決められた記入用紙があり、そのコピーもブレスレットも刺青も法的効力はありません。そして正式な用紙の有効期間は一年と限られている。
ACPは国民の意思表示の道具。記入できるのは患者本人で医師やNPの指示ではありません。
ACPを記入したりDNRやDNARを希望することは決して医療から見放されるではありません。
医療者の知識のアップデートができるシステムがない日本。根強い個人責任型の医療界。
ガイドラインを作っただけではプラクティスは変わらない。その後に連鎖的に発生する末端までの変化がスムーズ行われるサポートシステムと教育が必要。
看護師の新しいガイドラインと現場のギャップを見極めてサポートシステムと教育をできる職種はCNS
シリーズ8日目。
昨日、看護師のガイドラインと現場のギャップを埋めるのはCNSが最適と書きました。では医師とNPはどうする?
指示を出す立場なので、知識と倫理のアップデートが要求される職種です(日本ではまだ診療看護師は指示を出すことができません)。シリーズ5日目にふれました。以前にも書いてきた「あげっぱなし免許」。法規以外にスタンダードもスコープもない国では水準を保つとか、高める、とかは難しいと思います。
もっと沢山書いています。検索に「あげっぱなし」と入れてみてください。
私が講演の質疑応答で提供した案は、DNRやDNARについてのモジュールを作り、終了者率の発表(OO病院は85%の医師と看護師がコースを終了している)や病院の紹介ページに書けるようにする。こうすることで組織全体で取組むべき内容であることの認知が広がると思います。
このような案は訴訟とかマスコミとか、そんな言葉で受講者を脅すことより確実で有効だと思います。
「国民に信頼される医療職」の言葉が講演者から出てきました。まさにそうであって欲しいと思います。そのためにはスタンダードの作成、行使力を付けるためにもあげっぱなし免許廃止を考慮して欲しいと思います。
シリーズ終わり。
冒頭写真: 地獄谷の朝