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Gig Work
ってご存知ですか?ウーバードライバー、ウーバーイート。コロナ前からあったものですが、コロナ禍で一気に広がった働き方。
時間のある時にその分だけ働く。正規社員でもなく、アルバイトでもなく、登録制で働き時間は自由自在の仕事がある時だけに対価が支払われる仕事をこう呼びます(出前を運ぶ行為に対しての支払い。待っている間は収入が発生しない)。
コロナで多くの医療者を失った医療界(亡くなった人、去っていった人の両方)。医療者不足は看護師、介護士、医師。全世界共通の現象なので、お金を積めば人をかき集めることができる。そんな状況ではないことを政治家や経営者は理解しています。では、これからどうやって人員不足による医療崩壊を避けてケアの提供を続けるのか?ここ数年の命題になっています。
で、アイデアの一つがギグワーク。初めて聞いた時には、まさか?!と思いました。守秘義務とか労働基準、安全基準、などもろもろの基準、水準。雇用主もされる側も多くの基準を守り、守れるような労働環境を整えなければならない医療界でギグワーク?????耳を疑いました。
発想の転換、奇抜なアイデアでなければ、この危機は乗り越えられない、とその人は言っていました(カナダのヘルスケアのシンポジウムで初めて聞いた)。
で、昨日のニュース。米国で既に始まっているではないか?!リンクはこちら。
トラベルナースと言う短期契約の看護師は以前からあります。コロナ禍でトラベルナースと正規職員の賃金の差が話題になりました。同じことをしているのに、、、と厳しいコロナ禍の状況で不満を募らせる職員。しかし人員不足を埋めるために鰻登りの短期契約者の契約金。そんな背景もありました。それに費やす経費の削減にもなるとか。忙しい時間帯だけの仕事。短い時で1時間半のシフト。気楽に手軽にできるのは魅力的かも。
病棟が忙しいのは朝や食事時。それ以外は静か、なんて往々にある。その時間帯だけ来るお助けマン。検査や処置の数によって人員を増やせる。患者を退院へ搬送する看護師が抜ける間だけのお助けマンとか。効率は確かに良い。
カナダでは(もちろん米国も欧州も)労働基準がしっかりしていて、超過勤務手当はしっかり支払われる。12時間勤務を延長して16時間働いた場合、休日出勤した場合。これらをオーバータイム(OT)と呼び、これでしっかり稼ぐ看護師は大勢いる。私も若い頃OTを月1回程度はやっていたけれど、子供を産んでからは一切やめた。疲れるから。でも1時間半だったら、子供が学校へ行っている間で済ませることができる。ギグワークの良さは本業を辞めずにちょこちょこ働いて稼ぐ便利さがある。
今までこのような労働ができなかった理由は、病院職員に場合、労基で最低労働時間が4時間だったから。1時間しか必要ないのに4時間分の給与を支払うことが決められていたから。1時間の欠員を埋めるために人を呼べば4時間分支払わなければならない。よって残り3時間他の病棟へ行かされたり、普段はしないようなことをやってちょうだい、と言われたこともあった。しかしこのギグワークは新しい労働の仕方。だから既存の労基が当てはまらない、となるのだろう(詳しいことは不明)。
もちろんギグワークが根本的な問題解決にはならない、と思う。しかし人で不足で慢性的に疲れているスタッフの手助けにはなる。そう言えば先のシンポで、医療界は規則がありすぎて身動きが取れない、これが発展を遅らせる最大の理由、と言っていた人もいたな。さあ、このギグワークのアイデア。カナダではどこまでいくだろうか?注目していきたい。