走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

看護師の不断の努力

2020年06月01日 | 仕事
カナダの中でコロナの感染を抑えきれないケベック州とオンタリオ州。以前長期療養型施設の職員不足の為にカナダ軍の兵士が高齢者の介護にあたっていると書きました。カナダ軍が派遣されて1ヶ月が経とうとしています。

先週カナダ軍が政府に対して現場の状況を報告しました。内容はカナダとは思えない悲惨な状況が書かれていました。これを受けて州も国も長期療養型施設への予算を増やし改革を行うと声明しました。

これを受けて看護のスカラーカレッジなどの職能団体が発言している事が興味深い。看護師は長年長期療養型施設の住居環境や労働環境について論文にし、政治へも訴えてきた。それを聞き入れなかったのは政治家だと。

看護師は患者のアドボカシーとして改革を求め続けているが、それだけでは何も変わらず、パンデミック、軍が医療に介入し、公式文書を発表する事で、巨石のように動かなかったものが1ヶ月で動いたのだ。どう思いますか?

滑稽に思えるかもしれない。やはり看護師は無力なのだと思うかもしれません。しかし私はこのお陰で今まで陽に当たることなかった分野に注目が起こり、渋っていた政治家も否応なしに対応しなければならなくなった事態は良い事だと思います。そしてスカラーも含め前線にいた看護師は堂々とできる。何故なら看護師達は不断の努力を続けていたから。聴いてもらえないからと諦めることなく論文を書き続け議会へ問題を持ち込んでいた姿勢は讃えるべきだと思う。

続く


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。