シリーズ5日目
おさらい:
大麻の主成分はCBDとTHC。
薬には植物や動物から抽出されるものと化学式から精製されるシンセニックの二通りがある。
カナダをはじめ大麻が嗜好品として合法化された理由はお酒やタバコと同様に嗜好品としての扱い。依存性は3つに共通してある。
日本で販売されているCBDオイルはTHCが含まれていない、とされている。
CBDオイルには作り方により3種類ある。
1、フルスペクトラム
2、ブロードスペクトラム
3、CBDアイソレーション
CBD オイルはTHCと併用の方が効果が高い
THCについて少し話をしましょう。カナダでは大麻を自宅で育てて自分で使う人が合法化の前から珍しいことではありませんでした。1回目に書いたCBDは化学療法中の食欲不振に効く、と書きましたが、製薬会社で作られたシンセニックのカプセルより自家栽培の大麻が効くと、大麻経験者は言います。何故ならTHCが入っている自家栽培をタバコのようにして吸う方が効果が高く、それに慣れているからです。なので大麻使用経験のある人にシンセニックを処方しても効果はありません。
CBDオイルを製造する会社は売上を上げることが目標ですから、3より1や2が売れるのを知っています(効果が高いから)。だからカナダでは主流は1か2です。3はないわけではありません。だって尿検査でTHCが陽性になると困る職業の人もいるわけですから、そんな方には3がおすすめです。どんな微量だったら尿検査に引っかからないか?この境界線がクリアでないので、安心できる3を選ぶと言うわけです。
高揚感を得ることができ、CBDの効果が上がるTHCが何故悪者呼ばわりされるのか?理由は依存性と脳へ与える影響です。
依存性は全ての嗜好品で起こります。脳への影響とは?
人間の脳は生まれてから20代まで発達し続けます。その発達段階にTHCを利用すると脳の発達に影響を与えます。発達するべき部分が発達しないのです。だから合法化しても若年層の使用は認めていません。これもタバコやお酒と一緒です。
海外では大麻を嗜好品として、高揚感を得るために利用する人がほとんどなので、その効果が上がるTHCの入ったものを好んで使います。1の製造過程で作られたオイルはCBDとTHCの比率が 10:1, 5:1, 1:1 などのものがあります。
THCの悪影響は依存性と脳の発達、そしてもう一つ。幻覚もあります。より効果の高いものを求めて、大麻の品種改良をしたり、製造過程でTHCの濃度が上がるようにしたものも出回るようになりました。シャターとかキャンディーと呼ばれるものです。これらで依存性が高く出たり、幻覚症状や痙攣など神経系の症状を起こすこともあります。何ということでしょう。しかし依存性のあるものを節度なく使えば耐性が生まれ、もっともっとと人はTHC濃度の高いものを探し求めます。顧客を増やすため、売上を上げるための商品合戦のようなものです。
このようなものは日本には入ってきていない、と思いますが、2が3に紛れて輸入されるのはなぜかわかったでしょう。3より2が売れるから(効果が高いと感じるから)だと私は思います。2は微量だからわからない、見つからない、とでも思っているのでしょうか?それとも昨日書いたように同じものを同じ濃度で作るのが難しく、検出できるぐらいの量を含んでいるからでしょうか?これは売る側の言い訳。消費者側も賢くならなければなりません。だから今回シリーズで書きました。だってこれを見てください。
所持で5年以下ですよ。輸入できるものだから大丈夫、とは信じない方が賢明だと思います。どの製造方法で作られているのか?ブロードでもヘンプシードと書かれていてもTHCはゼロではない。あなたはリスクを背負っていることを忘れないで欲しい。ましてや海外旅行のお土産で1や2のオイルを持って帰れば、それは違法です。合法化している国や地域では香水を買うように、大麻商品を売っているお店に未成年でなければ誰でも入れますから。
シリーズ終わり。明日はシリーズのおまけ予定。