走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

お人好し 後編

2022年04月16日 | 仕事
昨日の続き

なんとこの診察を断った患者はその後、私に診察をしてもらいたいと、連絡してきた。しかしぎっちり予約が入っていて入る隙間なし。受付の人にどうしようか?と聞かれた。今朝、二度トライして、断っておきながら今更何よ!と思い

無理です。救急でもウオークインにでも行くように伝えて、と私は答えた。

で、その日の診察を終えて帰路につきながら

普通だったら絶対考えられないような思考過程をする人たちだから私の職はあるんだよな。あんな態度だから他の医療者が相手にしないんだよな。予防的な抗生物質の投与で重症化が防げるから必要なんだよな、重症化したら断ったことを私は後悔するだろうな、医療費もかかるだろうな、、、、と堂々めぐりの考えが浮かんで吹っ切れない。

だからといってルードな態度にも耐えないといけない?
時間外で働くの?
きっと救急での待ち時間が長かったからに違いない、都合よく使われるなんて癪に触る

とこちらの声も聞こえて来る。しかし、たとえこの患者が重症化しても私の責任ではない。ならば迷う必要なし。カレッジに咎められることもない。ええい放っておけ!と決めたが、そこまで行き着くのに仕事終了後何時間もかかった。働いていない時に仕事を考えさせて、全く迷惑だわ!!!!!!と。

で、その翌日。診察の合間に少し時間ができたのでシェルターへ電話した。だってノンストップの日だったらそんなことはできないけど、時間が生まれたってことは、やっぱりねえ、、、、と仏心というものが生まれる。そうしたら、患者は診察を受けるけどOO時にかけ直して、ときたもんだ。何!その態度。んんんんんんでも、よし、その時間にかけようじゃないか!と、またまた仏心。で、その指定の時間にかけ直すと、仕事のインタビューが入ったから、抗生物質は後回し、と、電話に出ることを拒否する。

まじか

もう知りません。これが週末前のラストチャンスでした。緊急で診てくれとクリニックにもう来ないでください。

仏心が届かない、とはこのこと。やっぱり私はお人好しの馬鹿なんだと思ったのでした。



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