こんなに楽しい!みやび流押絵

各教室での押絵の作品や、道端で出会った季節の移ろい、クスッと笑えるテーマもありますよ~

煌(きら)やかに悠(ゆる)やかに

2010年07月14日 | こんな押絵(押し絵)がありますよ

ゆるキャラで思い出したわけではないんですが・・・
3年前、創流120周年展の時発表した、絹甫、聡甫と私による合作、
「煌やかに悠やかに」です。
100号の大きさなので、あの展覧会以来、出していません。

3年前の春、メインの作品のテーマがまだ決まらず焦りだしていた頃、
何とは無く平等院へ足が向き、鳳凰堂へ入って見ると・・・

天蓋部分が修復の為、下に降ろされていて間近に拝見することが!!
しかもあくる日からは、数ヶ月間のお休みで、中に入れる最後の日だったのです。

天蓋が外され、ちょっと寂しげな阿弥陀さまを眺めていると、いつものように
こちらから阿弥陀さまを拝むのではなく、阿弥陀さまはどんなお気持ちでここに
座っておられるのかしら・・・と思ってしまいました。

創建当初は、まばゆいばかりに光り輝く天蓋を仰ぎ見ながら、周りに配された
供養菩薩たちの音に耳を傾け、目の前の池に遊ぶ鳥たちに目を細め・・・
られたかどうか分かりませんが、阿弥陀さまの目線になってみたくて・・・

天蓋部分は白い生地で貼ったものに金を塗りました。
その昔、堂内に光が乱反射するよう、鏡が埋め込まれていたのを聞き、
その部分には銀の生地を使いました。

周りを取り巻く宝相華の一片ひとひら、すべて押絵ですが、夕日に浮かぶ
阿弥陀堂は、あえてシルエットで表しました。

あくせくバタバタ、息付く間も無いような日々の暮らし、
煌やかに~悠やかに~~と、呪文のように言い聞かせるようにしています。