miyabuの雑記帳

ボケ老人の無責任なお話

読後感

2008-11-08 | Weblog
玄侑宗久著「アブラクサスの祭」、アブラクサスとはどのような意味か、全く判らなかったが、著者は禅宗の僧りょうですから多分宗教用語だろう程度の認識で、読み始めた。

内容は僧りょうであり、音楽家である、躁鬱症患者浄念の日常生活と精神の移り変わりを克明に書き上げたものですが、アブラクサスとは神と悪魔が一体になったものを指すようです。読み進むうちに音楽アーチストには、精神分裂症気味の人や、躁鬱症気味の人が多いのではないかと、フト思ったりしました。

浄念は、昔のサックスとドラムの仲間を集め、地元でライブコンサートを開きます。自分は、アンプギターを抱えて歌いまくる。そこは4次元の世界で鬼が、悲しみの原色として浮かび上げってきます。陶酔の中で光の本体に吸い取られていく自分を感じ、ナム・アブラクサスとなるのです(私の総てをアブラクサスに捧げます)