前記事の続きです。
散策を終え、
そろそろ時間だろうと会場に戻ると、、、
会場の準備の最中と、冷房がまだ効いていないとやらで、なんか皆さん外で、だべっておられたwww
因みに私も地味でもワンピース、奏者のような恰好で行く。なんかもう、あれこれ考えず、この方が楽なのがわかってきた。迷った時は地味なワンピース、弾くときは真珠のイヤリングなどのアクセサリー+。
写真には写っていないが、もっと奥に、ピアノと音合わせをしたばかりのY君が、緊張で棒になって立っていた。そこで、私はお菓子を笑いながら渡す。「お母様は?」
「ああ、Sさんっ(👈みゃー大工)」「母はもう来ています、会場にいます」彼は地獄に仏に会ったような感じで私を見た。
私の一回目のコンサートと同じことを言う、「駄目です、ピアノと合わせると全然です、弓が震えて音が出ないんです。」と。
そこで私は、緊張するY君に、「弦楽器だけは弓のコントロールが効かないのだと、これは有名な話なんだ、ギター、ピアノと違うのだ、これを克服出来た人だけがプロなんだ、私はアコーディオンやら、色々な楽器をしてきたが、バイオリン族の弦楽器だけは震えるのだと、みんなだよ!と。私も今年は失敗したけど、、、このコンサートは楽だよ」という。(だからこそ、次の普通のコンサートに進めたのだと、そこでは大失敗したが、今でも師匠の思いやりの気持ちはわかる。)
「足に力を入れるんだよ、」と先生と同じことを言うしかない。(実際は入れてもダメなのだが。食後に血流が胃に行くのに似ていて、あがり始めると、どうしようもないあの瞬間、途中からアドレナリンがコントロールできない、緊張すると指が虚脱状態でガクッと一気に血が通わなくなる、動けないのだ。別のところに全ての血が行く感じか…。ピアノの子が手が冷たいというのに似ている。楽譜を落とすのとは別の、弦楽奏者特有の試練なのだ)
ピンボケですが、左、この黒い足がY君と楽器、楽器は私と同じジョルダーノ、右に私。左Y君、お母様。
Y君のお母様「いつもSさんの事は聞いております」(いいや、まだ数回しか、Y君と話す機会もなくw先生が友達が出来る様に気を効かせて下さっているのだ。)
会場にはジュースがあり、我が師匠にお酌される始末。「うーん、自分が弾かないと楽しい、最高だわ、このリラックスコンサート、去年より素敵。」
余りにY君が緊張しているので「大丈夫だ、『G線上のあなたと私』の予告の役者より、わしら上手いから」とか、でも「『のだめカンタービレ』の水川あさみには一生なれない」だの下らん話をする。
Y君が隣でエアボーイング、デタシェを始めたので、私も土曜に覚えた謎の鉄オタスイッチ切り替え踊り(ビブラートの為)をエアで行う、そんな大人の我が生徒二人を、我が師匠は後ろで吹き出してみている、(先生を見ると、私の鉄オタ、バレエコッペリアの動きは正しいと見えるw)
S先生のお弟子、スーパー中学生がメンケンの「輝く未来」@塔の上のラプンツェルを弾いている、あがっているのがわかるが、何ともそこで巧みに立ち直る、上手いっ!
それでさらに、どーしーよーと緊張するY君に、もう、慰めを思いつかない、破れかぶれな駄目押しをする私、
「いいかっ、これは男のE〇と同じで、焦れば焦るほど駄目と心得よ、私は女だけど、弦楽器とはそういうものと思う、お前はそこ何とかしろ、頑張れー!」(ちなみに私は「お願い、口を開くな、がっかりするから」と言われ続けて生きて来た。)
「ええええ、Sさんってそういうキャラだったの――――、」クラッシックを習う人って基本大人しくて品がいい人が集まる。ヘドバンって何?が、まことに多いのだ。かえって彼を気まずくさせた。(お母様、今の聞こえていませんわよね、(;^_^A)
そのあと彼は、ご家族の話をしてくれた。ご兄弟姉妹の事、両親の事、彼は不思議なキャラクターの人で、どんなに仲の良いご家庭で、愛されて育っているか分かった、仕事や出た大学も。その産物だ。
私は彼の県の大学(東京に本籍)で、彼は私の県の大学で学んでいる。理数系で、私の機械音痴に付き合ってくれそうだ。
彼の番だ、
凄いぞ、暗譜している、頑張れ、
緊張が伝わる、最初の出だしから弓が乗らないでキーとなる特有のやつ、一瞬焦っている、
しかし、彼は頑張った、途中から立ち直った、勿論お母様も、ただ嬉しそうに我が子の演奏を聞いている。
インタビューでは何故バイオリンなのか、次の曲は母の好きな、我が高校の校歌だとか、会場の笑いを取る。
割れんばかりの拍手、先生が駆け寄る、勿論、先生が調弦もやってくださるのだが、いつも思う、「この師弟関係、バイオリンってボクサーとトレーナーのようだな、」って。
その後はY君も楽しんでいた。どんなにピアノが止まっても、「上手いですよねーっ」て、心から連発。本当に気立てが良いのだ。
そして「スーパー中学生のボーイング観ましたか?あの手首どうやってすごいですねー」
「ああ、それはね、人差し指の第二関節の中央に弓を乗せて、弓をローリングさせているからああ見えるのよ、貴方も次に習うのよ」
その時私は気がついた!、どんなに師匠が私に沢山の事を教えて下さっていたかを。量が全然違うのだと。私は頑張ろうと思った。
米津とショパン、そしてメンケンが大人気、私はモーツァルトK546第二楽章を弾いた、ご高齢の6年目の男性の上手さに驚く、本当にレイトスターター?80歳の声楽にも。(しかもだよ、皆さんほとんど仕事と音楽を両立させている。いつやるの?と思う。)
途中でI先生、今回の私の伴奏をしてくれた先生の声楽「アベマリア」が始める。
最後の〆は私の師匠T先生、S先生、去年伴奏してくれたY先生でメンケンの「アラジンのテーマ」、私はY君に言う、「私、これがやりたくて、もう一度教室の門をくぐったのよ。」って。私の大学時代の写真も見せる。
Y君と私は、来年は二人でデュエットを組まないかとの話になる。
二人でこけようぜ!それなら心細くない?
師匠のジャスミンは良かったです、S先生のアラジンも、伴奏のY先生も。
Violin and Viola Duet: A Whole New World (Aladdin)
A Whole New World from "Aladdin" (Violin Duet cover by Kimberly McDonough and Katherine Stennett)
その後、出演者は皆で記念撮影、私とY君のお母様で外でお喋りをする。
Y君のお母様は「私は、あの子が音楽が好きなんて思わなかったのです、こんなにバイオリンが好きだったのなら、あの子に小さい時から習わせればよかったのです、運動だと思っていて、そればっかりさせてきました、今、とても後悔してます。」
お母様と話していて、私の失われた時をもとめてのパズルがはまる。
私は、私がピアノやフルート、マンドリンに囲まれ、祖父がバイオリンしていても私は反抗して油絵をやっていた事、姉は芸大に行くつもりだったのが、国立大に行き、今になってある弦楽器の講師をしている事など、
その時はそうじゃないのだ、確かにバイオリンもやりたいけど、他の物もしなくては、同じく後悔したのだと。
ピアノ人口は多いのに、バイオリンのお友達が出来なくて、Y君がいてとても嬉しい事もお話しする。
お母様は、彼が将棋がとても好きな事、ご自分の事をお話し出した。
別れ際にさらに分かったお母様のY君への想い、そして、Y君のお母様が私の亡き母と同じ年齢で、亡き母の誕生日が、Y君のお父様の誕生日。
Y君「Sさん、僕今度の土曜日レッスンだから、そこで。」「本当にSさんのお好きな曲で良いですよ」
私「私セカンド、貴方ファースト、毎日一小節で、一年後、この舞台で。」
お母様から、別れ際に横浜土産を渡された。
「えええ、私がいただいていいのですか?先生にではないのですか?」
また太ってしまうw
小田和正 ♪ キラキラ ~癒しのオルゴール~
素晴らしい一日でした。まさにキラキラ、 幸福でした。
ふと、セカンドの方を弾いてみる、
ああ、もうファーストもセカンドも、頼めばやってくれる学友が一人出来たのだ。親子ほどに歳が違うけど。
いずれ横浜に帰ってしまうとしても、一生何らかで、喋れればいいな、音楽の友として。