不登校の時に買った花

今年も我が家の庭の牡丹の花が咲きました。

鮮やかな明るい紫で、大輪の花が開くと、一気に庭が華やぎます。








またこの時期が来たんだな～と思います。


この花はケン太が小学校５年で、不登校になった時、
買ってあげた花です。

当時、ケン太はクラスの子には病欠だと説明してくれと。
元気に外を歩いている姿を見られては病欠にならないので、
クラスの子との関係を絶ち、ずっと家に籠っていました。

たまに外の空気を吸わせてあげたい。。。

親の気持ちです。

ケン太が望んだわけではないのですが、休日、たまに外に連れ出しました。

車を玄関にピッタリ付け、外に誰もいないことを確認してあげて
どうにか後部座席に滑り込み、寝そべったまま車を発車。

ややしばらく走行し、もう知っている人に会わないだろう距離まで来ると、
やって頭を上げることができました。

１時間くらい離れた公園ならどうにか遊ぶことができました。
知っている人が万が一いたら困るので、いつもキョロキョロしていましたが。
髪の毛もかなり長くなっていて、前髪で顔を覆っていました。

犯罪者でもないのにね。
まるで逃亡生活を送っているかのようでした。


どこの公園だったか忘れましたが、

牡丹の花が売られていました。

ケン太が欲しいと言ったわけじゃなかったと思います。
でも、綺麗な花をじ～っと眺めてしました。

主人が「欲しかったら買ってあげるぞ」と。

ケン太は明るい紫色の牡丹を選びました。


ケン太が花を選んだこと。

それだけで少し救われた気持ちになれたことを思い出します。



それから９年目の春を迎えます。

毎年、毎年、ケン太の牡丹は綺麗な花を咲かせてくれます。

この花を買った時の状況。
それを思い出してしまうことは変わりないのですが、

その時々で、ケン太の状況はいろいろ。
私の心模様もいろいろ。

今年は少し心穏やかな心で花を楽しむことができています。


この先もずっと綺麗な花を咲かせてほしいです。





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