なにしろ先斗町通りは狭く、劇場も小さいので、
劇場正面に揚げられるまねきは1枚だけで、芝居看板もありません。
正面の北側には「先斗町歌舞練場」の文字。
劇場に足を踏み入れるとそこには襲名幕をいれてあった箱が披露されています。
昨年大阪では松竹座で襲名披露興行が行われたのですが、
その時は劇場2階でこのように派手に披露されていました。
劇場1階には天井から提灯がたくさん吊り下げられておりました。
これは雰囲気アップですね。
あと南座での顔見世興行といえば、贔屓筋から送られる「竹馬」です。
中村勘太郎が勘九郎を襲名した時の南座顔見世興行の時の竹馬。
やはりスペースの関係上、竹馬はこういう形での披露となっていました。
さて、今回は二階席での感激です。
開演前には襲名幕が披露されていました。
劇場は一階席と二階席のみ。
二階席の両端の桟敷は、一列目が座る升席、二列目は長椅子形式。
正面の最前列は升席ですが、脚を伸ばして座ることができます。
今回の公演のちらし。
いろいろなところでいただいて三種類もらっています。
今回の襲名披露狂言での写真が「ほうおう」に載っていました。
感想を少しだけ。
「引窓」
初めて見た南座での顔見世興行でも出た演目です。
その時の南方十次兵衛は中村扇雀(現坂田藤十郎)
女房お早は故九代目澤村宗十郎
母お幸は故五代目上村吉彌
濡髪長五郎は故五代目中村富十郎
今回はそれぞれ片岡仁左衛門、片岡孝太郎、六代目上村吉彌、坂東彌十郎。
仁左衛門はもう言うまでもなく、藤十郎に引けを取らない南方十次兵衛。
孝太郎はまだまだ宗十郎には程遠いですね。
元遊女のはんなりさがまだまだです。固い印象ですね。
これからに期待です。
現吉彌も先代には程遠く、元気なお幸です。
彌十郎、かなりいい濡髪でした。
少し間延びした印象でした。
富十郎のあの切迫感が出せるようになるといいですね。
「娘道成寺」
舞台が狭いせいか、聞いたか坊主は出ず、狂言の太郎冠者・次郎冠者的な二人が出演。
押し戻しが付くのですが、自分としては押し戻しなしの方、
最後に花子が鐘に上って決める演出の方が好きです。
芝居が終わるともう真っ暗。
雨も強くなっていて、そのまま三条駅まで歩いて京阪電車に。
昼の三条大橋からの歌舞練場。
部屋に着いたのはもう夜10時でした。