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タマーシュ・ヴァーシャリ(ピアノ) 1999年11月26日 ブダペスト、リスト音楽院大ホールリサイタル

2023-01-12 11:53:58 | 音楽夜話(クラシック)
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21:20-23:00 13.20-15.00 BartokRadio


ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調 op.27-2 「月光」
リサイタルの「起」の部分。どんなリサイタルになるのか。掴みはどうか、
そういう方向になるのか、ちょっとドキドキしながら聴いている。
バーシャリは指揮を始める前は、バリバリのピアニストだったということが
よくわかる演奏。3楽章も指がよく回り緊張感も高い。


リスト: 巡礼の年 第2年 「イタリア」 S.161~ ダンテを読んで:ソナタ風幻想曲
リサイタルの「承」の部分。
リストは本当に超絶技巧をもって作品を作るようなところがあって、聴きごたえがあるけれど、
こちらもそのような心構えでないと、聴きとおせないところがある。ストーリーもあるし、
終演後は客席も沸いている。一山超えた。


同: 6つの詩的思考 「慰め」 S.172~ 第3曲 変ニ長調
リサイタルの「承」の続きの部分。少し休憩も含めて、音楽の転換の部分か。
ちょっと静かに内面に沈むような感じで落ち着いてもらう。


同: パガニーニによる大練習曲 S.141~ 第2番 変ホ長調
リサイタルの「転」の部分。練習曲にしてはすごい曲だと思う。作曲家の「練習曲」に
騙されてはいけない。ステージにかけられるほどの作品も多々ある。
終演後は沸いていて、声もかかる。


ショパン: ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 op.58
リサイタルの「結」の部分。リストから拍手が止んだと思ったら一息おいて弾き始めたショパン。
手の内に入っているとはいえ、流れに身を任せたような展開で、個人的なリサイタルはこのような
すすめ方もできるのだと思った。










(アンコール)同: 夜想曲第2番 変ホ長調 op.9-2
有名なノクターンを1曲。軽々と弾いている。


(アンコール)同: 12の練習曲 op.10~
a. 第4番 嬰ハ短調
かなり弾き飛ばし感はあるものの没入して弾いている
歓声が飛ぶ。


b. 第5番 変ト長調 「黒鍵」
有名な黒鍵。わかりやすい。


c. 第12番 ハ短調 「革命」
荒々しく弾く。この方の革命はそのようなイメージなのだろう。
リサイタルが継続していてその世界に入っている。


d. 第9番 ヘ短調
ちょっとペースを落としつつも厚みのある曲を持ってきて熱はある。


(アンコール)同: 12の練習曲 op.25~ 第10番 ロ短調
弾き込んでいる感じの練習曲。


(アンコール)ベートーヴェン: 12のコントルダンス WoO.14
風向きを変え、ベートーヴェンで転換する。ちょっとユーモアのある曲になっている。




(アンコール)リスト: ハンガリー狂詩曲第15番 イ短調 S.244 「ラコーツィ行進曲」
どこかで聴いてことあるメロディーが聞かれる。リストの超絶技巧がここでも展開。
これだけ弾いても疲れないのだろうか・・・。


(アンコール)ショパン: 夜想曲第8番 変ニ長調 op.27-2
落ち着いたショパンのノクターンで〆か。美しくキラキラした表現はなかなかなもの。
安定した演奏。さすがプロ。ショパンやリストに定評があるという。




タマーシュ・ヴァーシャリ(ピアノ)
1999年11月26日 ブダペスト、リスト音楽院大ホール


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