もじもじ猫日記

好きなこといっぱいと、ありふれない日常

奈良美智展

2005-05-18 22:36:23 | アート
「From the Depth of My Drawer」
というのは「僕の引き出しの奥から」という意味だそうで、
80年代から現在に至る作品の中から、奈良さん本人がセレクトした作品の展示になっているとのこと。

2002年にも来た弘前。吉井酒造煉瓦倉庫。
そこにまた来た。またしても奈良さんの作品を見るために。

チケット売り場から見える中庭に白い犬。
中庭の雪が溶けてからやってきたコだ。
「よくきたね~」なんて言われてる気がしてじっと見た。

倉庫の中は前回と同じようで、違っていた。空気の感じとか。

最初の部屋の前に写真が貼ってあって、
笑顔の子供達や犬やそこに映っているものは、
後の部屋で見たスライドもそうだけれど、本当に奈良さんの見たままだと感じた。
余分なものを足していない、奈良さんの目に映ったまま。

作品はドローイングが沢山あったり、小屋の中での展示があったり、見ごたえがあった。
その中で双葉を手にした皿絵の女の子に、すごくひかれて、何度も戻って見てしまった。
自分の中の希望、という普段意識しないところに繋がっていたみたいだ。
あと、前回もあった「Fountain of Life」は、八角形の小屋の中に。
好きな作品なので小屋の周りをぐるぐると回りながらじっくり見た。

最後の小屋の中にあった6枚の皿絵。
「Shallow Paddles」の中の2枚にくぎづけ。
赤い水?の中に浸っている女の子から目が離せない。
何一つ似ていないのに『これ私だ』という気持ちがどんどんわいてくる。
そして、そのとなりのワンコの女の子が『大丈夫だよ』と云ってくれている。
小屋のベンチに座って5分くらいか、一人きりで見ることができたのは、偶然じゃなかったなぁ、と時間がたってから思った。
まさしく、私の心が映って見えたのだ。
あの作品を見ただけでも、本当に行って良かった。心からそう思う。

あと心がほわーっとしたのは、
個人蔵の作品を貸し出している方の多さと、
一点、”老人保健施設所有”という作品があったこと。
奈良さんの作品のある老人施設。
素晴らしいじゃないかー。
っていうか、ロケンロールな場所だなぁ、きっと。
コメント
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