大人の映画でした。
それは、
人生につまづいたことのある人の心の奥底に、
働きかける力のある作品ということ。
故郷と家族を捨てて手に入れたはずの成功。
そこから転がり落ちて全てを失った弟は、
帯広でばんえい競馬の厩舎を営む兄の元に逃げ込んだ。
すぐにはしっくりといくはずもない兄弟の姿。
けれど、
東京で生きてきた考えた方が通用しない、
どっしりと地に足がついた厩舎での労働と生活を送るうちに
馬と人とのかかわりの中、
弟の心のなにかが溶けてゆく。
ばんばの馬はサラブレッドよりもはるかに大きく、
馬体は1トンを超える。
レースはその身体で重い鉄のソリを曳きながら、
障害を越えるという泥臭いもの。
そこに人生を映して見るのは、
大人にこそできることだろう。
馬にかかわる出演者全てが、
とても馬に馴染んでいたのが驚き。
特に騎手を務める吹石一恵が素晴らしい。
弟役の伊勢谷友介が、
いつの間に力をつけたのか
挫折したエリートが立ち直る様を
見事に演じている。
兄役の佐藤浩市、
実は苦手で本数は見てるけれど、
好きな作品は「魚影の群れ」だけだったが、
今作は文句なしの演技。
弟の幼馴染で同じ厩務員の加藤を演じた
山本浩司が印象深い。
まだ三作しか見ていないけれど、
タダモノじゃあない。
小泉今日子が
賄いのおばちゃんに見えるのが、
うれしいやら淋しいやら。
厩務員の個性的な面々や、
脇を固める実力派も豪華。
そして、
馬達の存在感ときたら。
競争中に身体から立ち上る湯気や、
障害の前で立ち止まる姿や、
必死に足を進めようとする姿に、
愛玩動物ではない生き物の力強さを思い知らされる。
さらに、
早朝のトレーニング時に明けてゆく空の美しさにも、
心魅かれた。
全国に先駆けて上映らしいですが、
とにかく、
沢山の大人に観てもらいたい作品。
日本映画の底力かも。
それは、
人生につまづいたことのある人の心の奥底に、
働きかける力のある作品ということ。
故郷と家族を捨てて手に入れたはずの成功。
そこから転がり落ちて全てを失った弟は、
帯広でばんえい競馬の厩舎を営む兄の元に逃げ込んだ。
すぐにはしっくりといくはずもない兄弟の姿。
けれど、
東京で生きてきた考えた方が通用しない、
どっしりと地に足がついた厩舎での労働と生活を送るうちに
馬と人とのかかわりの中、
弟の心のなにかが溶けてゆく。
ばんばの馬はサラブレッドよりもはるかに大きく、
馬体は1トンを超える。
レースはその身体で重い鉄のソリを曳きながら、
障害を越えるという泥臭いもの。
そこに人生を映して見るのは、
大人にこそできることだろう。
馬にかかわる出演者全てが、
とても馬に馴染んでいたのが驚き。
特に騎手を務める吹石一恵が素晴らしい。
弟役の伊勢谷友介が、
いつの間に力をつけたのか
挫折したエリートが立ち直る様を
見事に演じている。
兄役の佐藤浩市、
実は苦手で本数は見てるけれど、
好きな作品は「魚影の群れ」だけだったが、
今作は文句なしの演技。
弟の幼馴染で同じ厩務員の加藤を演じた
山本浩司が印象深い。
まだ三作しか見ていないけれど、
タダモノじゃあない。
小泉今日子が
賄いのおばちゃんに見えるのが、
うれしいやら淋しいやら。
厩務員の個性的な面々や、
脇を固める実力派も豪華。
そして、
馬達の存在感ときたら。
競争中に身体から立ち上る湯気や、
障害の前で立ち止まる姿や、
必死に足を進めようとする姿に、
愛玩動物ではない生き物の力強さを思い知らされる。
さらに、
早朝のトレーニング時に明けてゆく空の美しさにも、
心魅かれた。
全国に先駆けて上映らしいですが、
とにかく、
沢山の大人に観てもらいたい作品。
日本映画の底力かも。