忘れな草の花籠

確かハンドメイドブログだったはず・・・

ゆづり葉

2006-08-15 17:22:18 | BOOK
ゆづり葉            河井酔茗  

子供たちよ
これは譲り葉の木です。
この譲り葉は
新しい葉が出来ると
入り代わつてふるい葉が落ちてしまふのです。

こんなに厚い葉
こんなに大きい葉でも
新しい葉が出来ると
無造作に落ちる
新しい葉にいのちを譲つて――。

子供たちよ。
お前たちは何を欲しがらないでも
凡てのものがお前たちに譲られるのです。
太陽の廻るかぎり、
譲られるものは絶えません。

輝ける大都会も
そつくりお前たちが譲り受けるのです。
読みきれないほどの書物も
みんなお前たちの手に受取るのです。
幸福なる子供たちよ
お前たちの手はまだ小さいけれど――。

世のお父さんお母さんたちは
何一つ持つてゆかない。
みんなお前たちに譲つてゆくために
いのちあるもの、よいもの、美しいものを
一生懸命に造つてゐます。

今お前たちは気が付かないけれど
ひとりでにいのちは延びる
鳥のやうにうたひ、花のやうに笑つてゐる間に
気が付いてきます。

そしたら子供たちよ。
もう一度譲り葉の木の下に立つて
譲り葉を見る時が来るでせう。
          『花鎮抄』より

      (「教科書でおぼえた名詩」文春文庫)



子どもをもって初めてわかることがたくさんあります。
私たちは未来に何を残していけるのか・・・。

少なくとも平和な世界、緑に包まれた地球を残していきたいです。

平和のための戦争、
正義のための戦争。
そんなものが存在するのはおかしいはず。

今日は終戦記念日。
すべての人たちが笑顔で過ごせる未来を希望してやみません。
コメント (8)
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