忘れな草の花籠

確かハンドメイドブログだったはず・・・

宮尾本 平家物語

2009-01-25 19:47:10 | BOOK
ついに読み終わりました、「宮尾本 平家物語」。
無常というかなんというか、
やるせない気持ちでいっぱいです。
あと少しだけ歯車の回転が違ってたら・・・と
思ってみてもどうしようもないのですが。

平家物語は平家一門の一大叙事詩です。
なのであまり登場人物たちの心情には
ことこまかには触れていません。
が、この宮尾本ではそうした細やかな心情まで
うつしだされていました。
特に女性が中心となるので実際の本文には
描かれていない情景やら心情やら思い浮かべることができます。
特に時子をはじめとして彼女をとりまく、知盛や重衡の妻たち。
きっと作者は彼女たちが好きなのでしょうね。

心情もさることながら臨場感あふれる文章には
ぞっとするものもありました。
特に木曽義仲がでてくるあたりから
だんだんと血なまぐさい匂いがではじめ、
そのあたりを読んだ夜には
寝付けないし、夢見も悪くて散々でした。
それだけリアルかつ印象深かったんでしょうね。

ただ、ただ、どうしても
頼朝や後白河院には情をうつせなくて。
もし彼らがいなければどうなっていたか・・・。
歴史の流れはかわっていたのでしょうか。
それとも別の同じような人たちが現れて
同じ歴史を作るのか・・・。
なんだか不思議な気がします。
余談ですが、この本にでてくる義経が
「遥か3」の九郎さんのイメージそのものなんで笑えました。

もう一度「平家物語」の原文を読み返したくなりました。
あとこの宮尾本には系図も歴史の流れも付録で描かれてありましたが、
個人的には地図もほしかったです。
そしてこの本を読んで
いちばん知りたくなった人物、
それはほかならぬ清盛でした。
そして「平家物語」を思うとき、
師の講義を受けたく思う私でした。
コメント
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