球形ダイスの目

90%の空想と10%の事実

自然とは

2006-11-04 | マジメな話
夜以降のイベントはさてっち氏が書いてくれたので、
それ以外に行った活動について書きます。

トップにもってきた画像ですが、宮崎駿の「シュナの旅」という作品。
ネタバレを避けるため必要最小限の情報だけを書くと… シュナが旅をする作品です。
「○○な旅」といった感じの修飾語をつけなかったのは意図的なのでしょうか。

そもそもは漫画を評価しているサイトで別な漫画の評価が知りたくてサイトを眺めていた結果
たまたま見つけたものでした。

あまり知られていないながらそのサイトでの(HP主の)評価が高く、
ずっと気になっていましたが、手に取ったのは数年越しの今日。
宮崎駿のマンガ本はとても大きく、管理が面倒なことが
買うのをためらわせる大きな要因となっていました。
ですが、文庫本サイズだったので購入。



この人の絵(今まで見てきたのはアニメで、セル画は別な人が描いているけど)が好きです。
最も原初的な感想としては、ナウシカやシータなどの外見がとっても可愛いこと。
クラスにああいう子がいたらいいのになぁ、って小学校の頃ずっと思っていました。
…というと安っぽく聞こえるかも知れませんが、より一般的に言うなら、
ヒロインの女の子見たさに作品を見ることもありえるくらい女の子が魅力的だったということです。

というわけで、マンガ版の絵も、とても魅力的。
色を均一に使わず、全体的にやさしい絵柄で物語感がよく出ていること。
そして、自然風景描写がとても綺麗なのに絵に嫌味がないこと。
写実的ではないけど、とても丁寧に描かれている感じがします。
漫画とはいえナレーションばかりで台詞は数えるほどしかなく、
言葉に頼らず絵だけで全てを伝えようとしているみたいに感じます。
なんだろう、この清潔感。



上の段落の下から2行目に関連しますが、
宮崎駿はあまり多くを語らずにものを伝えようというスタンスを貫いているようで、
触れるものの随所にそれを感じます。
マンガ中の絵もそうですし、最初の段落で書いたように、
「シュナの旅」という、題名にするには心許ない題名といい。

そして、視覚的な芸術への造詣が今ひとつな僕にさえこういう文を書かせるくらいに、巧い。



昔「宮崎駿の作品は自然を大切にしろといっているんだ」
と知り合いが散々言っていましたが、多分、わざわざ言ってないんじゃないかと思いました。

人物と風景の描き方が人物側に偏っておらず、フラットに描いている印象があります。
それは、人間が大自然の一部である(場合によっては、「一部でしかない」という言い回しもされるだろう)
ということを認識させます。
それが上の台詞を生んだのでしょう。

凄いな、この人は…



言葉が要らない、なんて話を今までしましたが、言葉も冒頭とラストが白眉です。
時間がある人は、フラッと見てもらえると、感じ入るところがあると思います。



はぁ、こうやって毎日贅肉のある文を書いていることが恥ずかしくなってしまいそうです。
負けたくないなら、本にするつもりで書いた方がよいのかもしれません。


コメント
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