盗人宿

いまは、わかる方だけ、おいでいただければ。

困難と克服の舞台裏

2019-05-24 12:36:59 | にゃんころ
はやぶさ2が、いろいろがんばっています。

まずは行き先である小惑星「リュウグウ」が、予想していたより地表に岩がごろごろしていて、安全に着陸できる場所が簡単に見つからなかったこと。
これは時間をかけて地表を観測し、狭いながらも開けた場所を見つけてピンポイントで1回目の着陸に成功しました。

次に、金属片を地表に金属片を打ち込んで、クレーターを作るミッション。
今回の航行で最大の困難なミッションといわれましたが、はやぶさは自律制御で難なく成功させました。

ところがそのクレーターに着陸する準備(着陸の目印になるマーカーの投下)のために下降中、はやぶさは投下をやめて上昇しました。
高度を測っていたセンサが一瞬だけ異常な数値を示したため、自分で判断してミッションを中止したのです。
地球から信号を送って装置を調整し、再挑戦は今月末だそうです。

さて、ここまでで感心するのは、「どこも故障していない」ことです。
初代はやぶさは、小惑星イトカワに到着するまでに故障が多発し、ようやく満身創痍で帰還しました。
ところが二代目は、これまて何かが物理的に壊れたという話は聞きません。
今回のトラブルもセンサのソフトの問題で、地球からの信号で調整が可能なものでした。

これは初代をいいかげんに作ったわけではなく、二代目までに技術が進歩したこと、そして初代の反省を踏まえて念には念を入れて(初代にも入れたでしょうけど)作られたことが理由といえるでしょう。

打ち上げ前にJAXAの責任者が「初代は『行ける』小惑星に行った。今回は『行きたい』小惑星に行って成果を残す」と語っていたのを思い出します。
それが決して大風呂敷でないことは、日本の宇宙工学技術がそれだけ進歩している、そして二代目がまったく故障していない事実からもうかがえます。


日本は作ろうと思えば、弾道ミサイルも原子力空母も原潜も作れます。
世界の中での立ち位置として、必要がないから作らないだけです。
他国と緊張関係になったことはあるものの、いちども戦争をしなかった、平成。
令和の時代もそれが続いてほしいものです。
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