モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

乳頭山はどんなお山?

2024年01月17日 | 秋田駒・乳頭/花と山容

山の姿形について語るシリーズ、秋田駒(こちら)の次は乳頭山にしようと思いました。
ところがこのお山はあまりメジャーでないようです。
そのため、このお山を語った書籍などは無いのですが、
意外にもウィキペディアでは割と詳しく解説されていました。
許可は得ていないですが、一部を引用させて頂きます。

「乳頭山(にゅうとうさん)とは、秋田県仙北市と岩手県岩手郡雫石町にまたがる山である。
十和田八幡平国立公園の中に位置する。
遠くから見たゆったりとした印象とは異なり、
山頂の東側は断崖絶壁となっている。山頂は崩壊が進んでいる。

以前あった山頂の三角点も行方不明となり、現在の地形図では三角点が抹消されている。
秋田駒ヶ岳とともに古くから知られた山で、
秘湯で名高い乳頭温泉郷の北東に乳房のような山容を見せている。
山頂からは、岩手山や林野庁の森林生態系保護地域に指定されている葛根田川源流部などを一望できる。
また、東隣の笊森山と三角山の鞍部に広がる千沼ヶ原は、尾瀬にも匹敵するほどの高層湿原とも言われている。 
秋田県側から見ると乳房を伏せた形に見えるので「乳頭山」と名付けられている。
一方、岩手県側からは烏帽子のように見えるので、「烏帽子岳」や「烏帽子山」と呼ばれている。
国土地理院の地図には「烏帽子岳(乳頭山)」と表記されているが、
登山関連書籍では「乳頭山」または「乳頭山(烏帽子岳)」と表記されているものが多い
(以下、略)。」




個人的な話で恐縮。私は約60年前(10歳くらいの頃)、
廻りの大人達の会話からこの山の名前を知りましたが、
姿の方は見たことがなく、
しばらくの間は妄想、
いや想像するばかりでした。

乳頭山は奥羽山脈の奥深くにある山なので、人里からはさっぱり見えません。
大人になり、車を運転するようになってから、
この山が田沢湖の西岸、潟尻集落付近から見えることを知りました。

乳頭山が見える人里はもしかしたらここだけかもしれません。

2015/03/16 潟尻付近から望む。



ここから荷葉岳や秋田駒ヶ岳はよく見えますが、乳頭山はその二山の間、奥にちっこく望まれます。

拡大してみると・・・

2015/12/24



その形は「乳頭=乳首」と言うよりも、左側(北)に頭を置いて、

仰向けになった女性のおっぱい(乳房)片方のように見えます。
そうなると乳頭山ではなく、乳房山。まあどちらでもいいです。




このお山は下界からは非常に見えにくいですが、近くの高い山に登ればよく見えます。

最も多くの皆さんが見る乳頭山はたぶんここからだと思います。
ここは秋田駒ヶ岳の八合目登山口から20~30分くらい登った片倉展望台や赤土広場と呼ばれる場所。
乳房山いや乳頭山です。

2017/09/05



乳頭山にアプローチするには複数のルートがありますが、

今回は秋田駒の八合目から、笹森山、笊森山経由で行ってみることにしました。
笹森山と湯森山の鞍部付近から望む姿は先ほどの片倉展望台から見たものと全く同じです。

2014/09/15 笹森山と湯森山の鞍部付近から望む。



湯森山から望んでもほぼ同じ、乳房山。 

2014/09/15 湯森山の山頂付近から望む。



その後しばらく見えなくなりますが、笊森山の山頂を過ぎるとまた見え出します。

この先は山頂までの間、絶え間なく乳頭山を見ながら歩くことになりますが、
ほぼ同じ場所から見た三枚を。

初夏の姿。残雪が有りました。

2018/06/16



盛夏の姿。道端にはハクサンシャジンが咲き乱れていました。 


2016/08/11 



紅葉の頃。登山者も入れて撮りました。

2016/10/02



だいぶ近づいて来ました。乳首は岩の塊でした。

2016/08/11



左手、奥に見える山は秋田駒ヶ岳。

2016/10/02



ここで岩手側から見た乳頭山に話題を切り替えます。
このお山、岩手では烏帽子岳と呼ばれますが、
(私の知る範囲では)岩手の低地からは見えないようです。

たまたま岩手山の中腹にある網張温泉に行ったところ、
西側に尖った形の小さな山が見えました。

2018/03/07 左側手前が平ヶ倉山、左奥が笊森山、右奥に乳頭山。



乳頭山をアップで見ると・・・

2018/03/07



このお山、猫が香箱座りしてるようにも見えます。

猫の頭部が乳頭山、丸い背中は「小乳頭」と呼ばれる山です。

紅葉の名所として知られる三ッ石山の帰り道、
奥産道を歩いていたら、林の間から鋭く尖った山が見えた。
初めて見た時は、何でこんな場所に槍ヶ岳かと思いました。


2021/07/18 奥産道から望む。



同じく三ッ石山に登山途中、見た乳頭山。

2021/06/07 左に笊森山、右に乳頭山。真ん中奥に秋田駒ヶ岳・男女岳(おなめだけ)。



先にも申し上げましたが、岩手県側から乳頭山は烏帽子のように見えるので、
「烏帽子岳」や「烏帽子山」と呼ばれています。

次の写真は乳頭山に岩手側から登るルートのひとつ、
「滝の上コース」の途中から見たものです。
基本的には先の三ッ石山に登山途中から見たものと似ています。

2016/08/11 左に笊森山、右に乳頭山。真ん中奥に秋田駒ヶ岳。



より近づくと烏帽子そのものだと思います。

2019/09/17



頂上は目の前、岩の塊。

2019/07/15



山頂からの眺めは素晴らしい。東には岩手山が大きい。

2016/08/11



西側には田沢湖。

2019/09/17



北側の八幡平方面の眺めも素晴らしいが、
少し西にずらして森吉山方面を。

すぐ下には田代平湿原、右に見えるてっぺん禿げの山は大白森。

2016/10/02



その後は田代平湿原を通り、乳頭温泉(孫六温泉)へ下ります。

田代平から望む乳頭山はなだらかで優しい姿です。

2016/10/02



孫六温泉への下り口からは再び田沢湖が見えます。
湖に入水するような気分です。


2019/09/17



乳頭山から北西方向には山頂が広大な湿原となった大白森(1216m)があります。

ここから望む乳頭山はとてもまろやかな姿です。
右奥の笊森山はあえて見なかったことにして、
左の小乳頭と並べてみると、女性の胸、おっぱい両方を上から見たような見ないような・・・。

2016/10/16



これで終わりかと思ったら、PCハードディスク内に次のような写真が有りました。
低地から乳頭山が見えていただけでなく、岩手山も一緒に写っていたのには驚きました。

2017/01/08 大仙市から。



以上。

乳頭山の花図鑑(1)初夏編」へ続く。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秋田駒ヶ岳の花図鑑(7)秋・紅葉

2024年01月15日 | 秋田駒・乳頭/花と山容

(本頁は「・・・花図鑑(6)晩夏~初秋2」の続きです。)

奥羽山系には栗駒山や三ツ石山など紅葉がとても奇麗な山がある。
秋田駒の紅葉はこれら二山ほど有名ではないが、個人的には奇麗な方ではないかと思っている。
まずは風景としての紅葉シーンを少し列記してみる。
紅葉期に初めて登ったのは、2014年9月23日だったと思う。
あいにくこの日はガスの発生が多かったが、ときおり晴れ間に見えた紅葉はドキッとするほど紅かった。
まずは新道コースの紅葉を三枚。










これは横岳から焼森方面の紅葉。




翌2015年は9月22日に登っていた。

前年同様、この日もガスでさっぱり見えなかった。
かろうじて見えたのは、次の一枚だけ。

2015/09/22 馬ノ背稜線から阿弥陀池を望む。



翌2016年は紅葉が少し遅く、10月1日に登っている。
この日は珍しく晴れていた。
片倉展望台から男女岳(おなめだけ)を望む。







片倉展望台から田沢湖方面を望む。




馬ノ背稜線から女岳や田沢湖を望む。




【高山の樹木紅葉】


ミネカエデかナンゴクミネカエデのいずれかと思われる。


2016/10/01  
 

                                                                                                                                                                    2015/09/22


2016/10/01



こちらはオオカメノキ。

2017/09/05
 

                                                                                                                                                                   2015/09/22


【草紅葉】

チングルマやオヤマソバ。 2014/09/23



草紅葉。ミヤマキンバイやミヤマトウキ、ネバリノギランなど。
2014/09/23



草紅葉、右はミヤマキンバイ、左奥にミヤマダイコンソウ。
中ほどにヤマハハコ。2014/09/23



トウゲブキやミヤマダイコンソウ。中ほどのひときわ紅い小さな葉はハクサンフウロ。2014/09/23
 

                                         
(右上)タカネスミレ 
2016/10/01

ミヤマダイコンソウとミヤマトウキ。
2014/09/23



シロバナトウウチソウ  
2014/09/23



チングルマ  2014/09/23



コメバツガザクラ 
2014/09/23
 

                                        
(右上)エゾツツジ  
2014/09/23

イワカガミ 
2014/09/23



ヤマブキショウマとヤマハハコ 
2014/09/23



以上。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秋田駒ヶ岳の花図鑑(6)晩夏~初秋2

2024年01月12日 | 秋田駒・乳頭/花と山容

(本頁は「・・・花図鑑(5)晩夏~初秋1」の続きです。)

どこの山でもそうだが、真夏以降はキク科の花が多くなる。

大焼砂上部のノコンギクとミヤマアキノキリンソウ混生。 2023/08/23



ノコンギク Aster microcephalus var. ovatus 
 2023/08/23


ノコンギクは低地や低山には多く、高山ではあまり、いやさっぱり見かけないものだが、

秋田駒では多いように思う。何故だろう。

ミヤマアキノキリンソウ Solidago virgaurea subsp. leiocarpa  2023/08/23


ミヤマアキノキリンソウ 2015/08/16
 


(右上)ゴマナ。下の方にヤマハハコ、ミヤマアキノキリンソウ。 
2017/09/05

ゴマナは低山から高山まで幅広く見られる。

ゴマナ Aster glehnii
 2015/08/16



ヤマハハコ Anaphalis margaritacea
 2015/08/16



ヒトツバヨモギ Artemisia monophylla
 2015/08/16
   


(右上)ウゴアザミ Cirsium ugoense 
2015/08/16

ウゴアザミ 2023/08/23



トウヒレン属の同定は難しい。

ひとまずイワテヒゴタイとしておいた。

イワテヒゴタイ Saussurea brachycephala 2015/08/16  
 


(右上)ハンゴンソウ Senecio cannabifolius 
2023/08/23

初秋に咲く花のラストはリンドウだ。

エゾオヤマリンドウ Gentiana triflora var. japonica subvar. montana 2021/09/01



【木の実】
高山の樹木の代表、ナナカマドは何故か写真を撮り逃がしていた。
仕方ないので他の木の実から始めてみる。

青黒い実を付けたこの木は何だろう。
クマノミズキだろうか。

クマノミズキ Swida macrophylla ? 2022/09/14



数は少ないが、キャラボクも生えていた。

キャラボク Taxus cuspidata var. nana 2022/09/14



横岳から大焼砂上部の斜面には矮性低木が多い。

その代表はコケモモとガンコウランだ。この場所ではどちらもドッサリと実をつけていた。

コケモモの実 
2021/09/01  
 

(右上)ガンコウランの実 
2022/09/14


白い実をつけるシラタマノキは秋田駒ではあまり多くない。
私は横岳の稜線で少し見たきりだ。

シラタマノキ Gaultheria pyroloides  2022/09/14


地味な木の実を二種。

クロウスゴの紅葉と実。 2015/09/22
   


(右上)オオカメノキの紅葉と実 
2015/09/22

オオカメノキの実は初め赤く、成熟すると黒くなる。


・・・花図鑑(7)秋・紅葉」へ続く。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秋田駒ヶ岳の花図鑑(5)晩夏~初秋1

2024年01月11日 | 秋田駒・乳頭/花と山容

(本頁は「・・・花図鑑(4)盛夏2」の続きです。)

本頁では概ねお盆(八月中旬)以降、初秋にかけて咲く花を扱ってみる。
この季節になると、他の山では花の数がめっきり減るものだが、
秋田駒と(後で述べる)焼石岳は例外のようだ。
タカネスミレやコマクサが多かった大焼砂では新顔の花が咲いていた。
それはオヤマソバだった。

オヤマソバ  Aconogonon nakaii 。廻りの花はタカネスミレ。 2023/08/23



オヤマソバ 。廻りの花はコマクサ。 
1980年代、撮影月日は不明。



このお花、大焼砂のような裸地の他、阿弥陀池周辺では風衝草原にも進出している。
岩手山や早池峰山でも見かけるが、東北の他の山では見たことが無い(蔵王不忘山に少し有ると聞く)。


大焼砂の下部では意外な花が咲いていた。

マルバキンレイカ Patrinia gibossa 1980年代、撮影月日は不明。


コキンレイカ(ハクサンオミナエシ)は北東北には無いようだ。
近似種のマルバキンレイカは低山の急傾斜地などでよく見かけるが、こんな高い場所で見たのは初めてだ。

コマクサは七月の花のイメージだが、八月にもけっこう咲き残っていた。
年によっては九月にも咲き残りが見られる。

コマクサ Dicentra peregrina 2015/08/16


秋田駒ヶ岳では限られた場所でハナイカリを見かける。
この花、岩手県ではあちこちで見かけるが、秋田県では極めて少なく、私はこの山でしか見たことが無い。

ハナイカリ Halenia corniculata
 2023/08/23
   


(右上)コケモモ(丸葉で赤い実)と
ガンコウラン Empetrum nigrum var. japonicum (黒っぽい実) 2015/08/16

ハナイカリの近くでコケモモとガンコウランが混生していた。
どちらも秋田駒には多く、後で(6)でも個別に報告するが、混生シーンを先に報告しておく。

タテヤマウツボグサは秋田駒ではあまり多くない。私は男岳の山頂付近で見かけた。

タテヤマウツボグサ Prunella prunelliformis 2023/08/23



コミヤマハンショウヅル(果実) 
2015/08/16
   


(右上)チングルマ(果実) 
2015/08/16


晩夏以降の秋田駒にはウメバチソウが多い。
花の径は鳥海山や焼石のものに較べると大きい感じだ。



自分はこの花をずっとウメバチソウだと思っていたが、

最近になって、植物に詳しい友人から、コウメバチソウではないかと指摘された。
両種の識別は仮雄蕊の先に付く腺体の数で行う。
コウメバチソウは仮雄蕊1本につき、腺体は7~11個なのに対し、ウメバチソウは12~22個とのこと。
いずれにしろルーペ無しでは識別できないレベルの話だ。


コウメバチソウ Parnassia palustris var. tenuis 2023/08/23



シロバナトウウチソウ Sanguisorba albiflora
 2023/08/23
   


(右上)ダイモンジソウ Saxifraga fortunei var. alpina
 2023/08/23


晩夏以降の秋田駒ではセリ科の花が多くなる。

ムーミン谷のエゾニュウ群生。 2015/08/16



エゾニュウは北海道の草原で壮大な姿を見かけるが、秋田駒ムーミン谷のそれもみごとだ。
このエリアに生息するツキノワグマの餌にもなっているようだ。

散形(傘形)花序をアップで。

エゾニュウ Angelica ursina 2023/08/23



他のセリ科。
シラネニンジン Tilingia ajanensis 2023/08/23
   


(右上)イブキゼリモドキ Tilingia holopetala
 2023/08/23

ミヤマセンキュウ Conioselinum filicinum 2023/08/23  
 


(右上)サラシナショウマ Cimicifuga simplex
 2017/09/05

こちらはセリ科ではなく、キンポウゲ科。
晩夏以降の秋田駒では同じキンポウゲ科のトリカブトも多く目に付く。

オクトリカブト Aconitum japonicum ssp. subcuneatum 2023/08/23



大焼砂上部のノコンギクとオクトリカブトの混生。
2021/09/01



トリカブトは他の山では中腹より下の林の中や沢筋に多いものだが、
秋田駒ではこんな高所でしかも極めて強い風の吹く稜線にも咲いていた。


・・・花図鑑(6)晩夏~初秋2」へ続く。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秋田駒ヶ岳の花図鑑(4)盛夏2

2024年01月09日 | 秋田駒・乳頭/花と山容

(本頁は「・・・花図鑑(3)盛夏1」の続きである。)

盛夏(7~8月中旬)は花の種類が多い。

ヒナザクラは秋田駒ではチングルマのような群生にはならないが、湿った場所でよく見かける。


ヒナザクラ Primula nipponica
 2017/07/10



ノウゴウイチゴ Fragaria iinumae
 2017/07/10



コバイケイソウは一般的な高山植物だが、秋田駒ではあまり多くない。
浄土平に少し群生がある。

コバイケイソウ Veratrum stamineum 2013/07/20  
 


(右上)タカネアオヤギソウ 
Veratrum maackii var. longibracteatum 2013/07/20

ヤマブキショウマ Aruncus dioicus var. kamtschaticus 2013/07/20



カラマツソウの仲間は秋田駒には三種類生えている。
多いのはモミジのような葉のモミジカラマツだが、これは別属だ。
カラマツソウ属はカラマツソウ(前ページ)とミヤマカラマツの二種だ。
後者は阿弥陀池から横岳に登る斜面やしゃくなげコースで見かけた。

左にミヤマカラマツ Thalictrum filamentosum var. tenurum
右にモミジカラマツ Trautvetteria caroliniensis var. japonica
わかりにくい写真で恐縮。 2013/07/20
   


(右上)ミヤマカラマツ 
2016/07/10

あちこちの草藪で見かけるセンニンソウ属はこの山ではコミヤマハンショウヅルだそうだ。
いがりまさし氏によると、
葉は1回3出複葉。2回3出のミヤマハンショウヅルとはここが著しい違いとのこと。

コミヤマハンショウヅル Clematis alpina var. fauriei 1980年代、撮影月日は不明。



オニアザミ Cirsium borealinipponense
 2013/07/20
   


(右上)ヨツバシオガマ Pedicularis japonica
 2017/07/10

ヨツバシオガマは北東北の高山ではよく見かけるが、秋田駒にはあまり多くない。
少し調べてみたところ、奥羽山系では秋田駒ヶ岳が南限のようだ。
これより南の和賀山塊、焼石、栗駒、蔵王では見たことが無い。

ニッコウキスゲは八幡平や和賀山塊には多いが、秋田駒ではあまり見かけない。
新道コースでは男岳登り口付近で少し見かける程度か。

ニッコウキスゲ(ゼンテイカ) Hemerocallis dumortieri var. esculenta
奥に見えるのは森吉山。 2013/07/20



同時期に咲くイエロー系の花。
トウゲブキは鳥海山や和賀山塊、焼石など北東北の高山では非常に多い花だが、

秋田駒ではあまり多くない。浄土平やムーミン谷で少数見かけた。

トウゲブキ Ligularia hodgsonii 2015/08/16  
 


(右上)ウサギギク
Arnica unalascensis var. tschonoskyi 2015/08/16

イワオトギリ Hypericum kamtschaticum var. hondoense
 2023/08/23



ミヤマコウゾリナ Hieracium japonicum
 2015/08/16
       


(右上)エゾシオガマ Pedicularis yezoensis
 2023/08/23

ミヤマリンドウ Gentiana nipponica 2015/08/16 
 


(右上)ネバリノギラン Aletris foliata
 2013/07/20

ハクサンシャジンもトウゲブキ同様、北東北の高山では非常に多い花だが、
秋田駒ではあまり多いとは感じない。

ハクサンシャジン(タカネツリガネニンジン) Adenophora triphylla var. hakusanensis 2015/08/16



オニシモツケ Filipendula camtschatica
 2015/08/16
     


(右上)ハクサンフウロ
Geranium yesoemse var. nipponicum 2015/08/16

ハクサンフウロは和賀山塊や真昼岳、焼石岳には多いが、秋田駒では比較的少ない。

イワブクロはエゾツツジ同様、北海道では普通だが、本州では限られた山だけに分布している。
鳥海山にも有るが、奥羽山系では秋田駒が分布の南限だろう。
秋田駒ではコマクサ同様、大焼砂や焼森に生育しているが、数は少ない。

イワブクロ Pennellianthus frutescens 2015/08/16



この時期、他には、
ミヤマトウキ、ハクサンボウフウ、ミヤマホツツジ、アオノツガザクラなどを見かけた。

なお鳥海山や岩手山に多いイワギキョウは秋田駒には自生してないようだ。

・・・花図鑑(5)晩夏~初秋1」へ続く。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする