モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

霧の七座山と晴れの房住山(2018年11月6日)

2021年11月23日 | 秋田県北の山

(本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしたものである。)

11月6日は天気もまあまあなので、秋田県北部にあるふたつの低山を訪ねてみた。

ひとつ目は能代市東部にある七座山(ななくらやま)。
早朝、能代市市街地を走ってる時は晴れていたのに、近づくにつれ、霧が濃くなって行く。
大昔流行ったマッシュマッカーンの「霧の中の二人」を思い出したが、
こんな天気の日、この山を歩いてたのは、私ひとりだけだった。

この山には天然の秋田杉が多く生えている。

 



こちらは何の木だろう。




これはブナ?                                       稜線に登る鉄階段
 



稜線に上がっても五里霧中だった。

これは近くを流れる米代川の川霧が停滞しているせいだ。




稜線の残紅葉



稜線は風が強く、寒さに震えながら、一時間近く待ったが、結局、私の居る間は晴れてくれなかった。

天気が良いと展望台からはこんな眺めだ(今年4月に撮影)。





霧で散々だった七座山の次は、約15キロ南、能代市と三種町の境界にある房住山(ぼうじゅうさん)だ。
こちらは標高409mの丘陵だが、地元では信仰の山として古くから登られている。
今年の春に初めて登り、低山ながらもけっこう面白い植物のある山だと感じた(記録はこちら)。
秋はどんなだろうと思い、行ってみたが、平日のせいか今日の登山者は私一人。
なおこちらの天気は霧も無く、晴れたり曇ったり。林道の始まりにある黄金の鳥居が眩しかった。

林道井戸下田線入り口にある黄金の鳥居



立派なトイレのある登山口から歩き出すと、ほどなくこれまた立派な房住神社に着くが、

このあたりには天然の秋田杉が残っている。

天然の秋田杉                                        ブナの木
 



斜面に差し掛かると、ブナの木が現れる。まだ紅葉していた。

その後は雑木林、植林のスギ林が交互に現れる稜線道が続く。

台倉の坂の斜面



台倉の坂は「ババ落とし」とも呼ばれる壮絶な急坂だが、今回は巻道を通ったので楽々通過。

ここで出会った草木を。

カエデのミニ紅葉                                                                                                                              オヤマボクチの古花
 


ツクバネの実。
この低木は半寄生植物。                         ツルアリドオシ
 



坂を登り詰めた先はおそらくこの山域の最高地点のようだ。
展望はあまり良くないが、石仏が現れ、休憩には丁度良い広場になっていた。




男鹿三山や寒風山が重なって見える。                                                                                      十六番・千手観世音
 



ちょっと不気味だったが、これはサルノコシカケだろう。




誰かハンバーガーかグローブを木の又に置き忘れて行ったのかと思ったら、こちらもサルノコシカケだった。




稜線のところどころに屋久杉のように立派な天然秋田杉が立っていた。

天然の秋田杉
   



稜線の西斜面にはブナなどの広葉樹林があり、

終わり近かったものの、渋い色合いの紅葉を愉しめた。




ちょっと気になったブナの木                                                                                                       房住山山頂の展望台はもうすぐ。
 


折角の展望台だが、廻りの樹木が大きくなったせいか、眺望はイマイチだった。

展望台から森吉山



杉の梢のせいで全体は見えなかった。

下山後、上岩川地区から房住山を望む。たぶん左端が山頂。登山口は右端にある。




以上。


コメント (2)
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初めての藤里駒ヶ岳と岳岱ブナ林(2018年10月13日)

2021年10月24日 | 秋田県北の山

本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイク。更にレイアウトを少し変更、再アップしたものである。

数年前から山歩きを再開し、秋田県内の主だった山はほぼ登った。
と言いたいところだが、実はまだ抜けが有った。

県北部にある藤里駒ヶ岳と田代岳だ。
この方面は一昨年、昨年と人食い熊が出没したので、立ち入りを遠慮していた。

が、今年は出たとの報道をほとんど聞かなくなった。
そろそろ行ってみるかと、10月13日(土曜日)に藤里駒ヶ岳、続けて14日(日曜日)に田代岳行きを決める。

 
藤里駒ヶ岳(1158m)。本写真は、2018/10/14、田代岳山頂から撮影。

 

今回、歩いた黒石沢コースの登山口は駒ヶ岳の裏側、青森との県境近くに有るので、
秋田市から行くと思った以上に遠かった(秋田市を4時半に出発。高速を使わず、登山口には7時ちょっと過ぎに到着)。
それでも林道の終点までしっかりと舗装されていたのには驚いた(ただし林道は道幅が狭いので交叉には要注意)。
登山口駐車場には県外ナンバーが既に一台有った。
乗員らしき人に湿原で追いつくと、物々しい装備に大型カメラ三脚を担いだ若者たちだった。

聞くと、昨日からツキノワグマの撮影に来ているが、残念ながら会えてないとのこと。



北側、田苗代湿原から望む藤里駒ヶ岳は

山と言うよりも森のような感じ。湿原の標高が既に800m近いのだから当然か。

田苗代湿原と藤里駒ヶ岳(1158m) 



早朝の湿原には朝もやが立ち込めていた。



田苗代湿原は今、紅葉が真っ盛り。

台風の影響か葉を落としている木が多かったが、(-_-;)文句は言うまい。
紅葉の撮影をしていたら、後からやって来た登山者数名に追い抜かれる。
これだけ登山者が居たら、今日はクマの心配は無さそうだ。

田苗代湿原周囲の紅葉






 





湿原を縦断し、旧コースの尾根を登る。尾根なのに沢のような登山道にちょっと戸惑う。

沢のような尾根道                                      山頂標。
 


登山口との標高差は400m弱なので意外とあっけなく山頂へ。

狭い山頂は登山者でいっぱいになった。
眺めは山頂より少し南に進んだ稜線の方が良かったので、そちらに陣取ることにした。

山頂から白神岳方面を望む。



山頂から北側直下を望む。



山頂から岩木山方面を望む。右のピークは尾太岳(1084m)だろうか。



一時間待っても岩木山の雲は取れそうになかった。
そろそろ降りようか。下山は新コースを歩いてみる。

駒ヶ岳東斜面


 
新コース下山途中から振り返ると、駒ヶ岳はなかなか険しい表情になっている。
同じ山でも見る角度によっていろんな表情があるものだ。

新コース下山途中から駒ヶ岳を振り返る。



更に下ると、ブナ林が素晴らしい。

 


手前の紅葉はオオカメノキ 



ホオノキ 



下山して再び湿原に寄ってみる。木道にはハイカーが大勢居た。

昼頃、登山口駐車場に戻ったら、クルマがびっしり。大型バスまで停まっていたのにはビックリ。
今時の藤里駒ヶ岳、クマの心配は無用のようだ。


帰る途中、岳岱(だけだい)のブナ林に立ち寄ってみた。
正式名称は岳岱自然観察教育林。
ここの標高は約620m、紅葉にはまだ早かったが、いろいろな生育ステージや面白い形のブナを愉しむことが出来た。

芋虫状になったライオン?!



ライオン?!を少し引いて撮ると・・・                                                                                               400年ブナ
 


キリンとかブロントザウルスなどの四つ足動物が
う●ちしている様を連想(´π`;)☆\バキ。




これはあまりにもあられもない姿に見えたので、(-_-;)公表すべきかどうか迷った。



 
こちらは上品にオーケストラの指揮者?



これは何?
                                                                   ギンリョウソウモドキの実 
 


続けて、翌日の田代岳へ。


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晩夏の房住山には何が咲くのだろう。(2021年8月24日)

2021年09月07日 | 秋田県北の山

お盆を過ぎて以降、秋田では雨の多い天気が続いており、山にも行きにくいし、実家の草刈りも出来ないでいる。
8月24日は一日だけ晴れるとの予報だったので、三種町の房住山に行ってみた。
そこは標高400m程度の低山で、春と秋には複数回訪れているが、夏場にはまだ来たことが無かった。
よって夏場に咲く花の情報は皆無だった。
こういう時は自身で行って確かめるのが一番だ。

林道入口の鳥居は立派。



非合法マップ                                登山口の石段

 



いざ行ったら、入山者は我独り。登山道は雨で湿り、あちこち泥んこ道になっていた。

房住神社も黄色っぽかった。




神社を過ぎると、天然杉の巨木が。その後は稜線に登るため、しばし坂道が続く。

 


稜線に上がったら、ブナ林。




オオカニコウモリだろうか。男鹿の山で見かけるものとそっくりだった。

 



右上、ジャコウソウは一株のみ。

ヤマジノホトトギス



次はツクバネの若い実。後述の台倉の坂付近で少し見かけた。

 


今回の登山で今頃の房住山には花はさっぱり無いことが分かった。

森林の様子ももう少し報告してみる。
房住山の稜線は多くがスギの植林地だが、ところどころにブナを主体とした広葉樹林や天然の秋田杉が混じっている。

ブナ林



大きなブナの木、上の方                               
大きなブナの木、下の方
 



天然杉の混じる林



天然杉                                         
山頂の展望台。
 


展望台は破損しているようで、最上階には登れなかった。

仮に登っても、周りの木に邪魔されて展望はほとんど無し。
展望台から鳥海山も見えると書いてあるが、いつも靄っていて見たことはない。見えたのは近くの山だけ。




房住山の登山道には石仏が多くある。これを見るために登るという人もけっこう居るようだ。

 


 



よく見るとなかなかいい表情をしている。

台倉の坂(ババ落とし)の看板。この坂はかなりしんどい。私は過去に一度通ったが、もう懲り懲りだ。




ここを通ると施設に預けている母をいつも思い出す。
コロナ禍でしばらく会えていない。


以上。


コメント (4)
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サンカヨウを見に房住山へ。次いで七座山。(2019年5月7日)

2021年05月08日 | 秋田県北の山

(本記事は内容を変更し、再アップしたものである。)

今年(2019年)は5月1日から元号が変わっている。
平成最後の山は4月29日の太平山となった(記録はこちら)が、令和の初登山はどこになるだろうか。

私事で恐縮だが、太平山に登った翌日から、風邪の症状が現れ(どうもインフルエンザのような感じ)、
家でおとなしくしていた。
その後、家内も発症、私の方は回復したので、5月4日、男鹿毛無山に行ったが、
足が鉛のように重たくなり途中で断念。

山頂まで極めた山としては、7日行った三種町の房住山(ぼうじゅうさん)が令和最初の山となった。
標高は400m程度、天然の秋田杉と広葉樹に覆われた静かな山で、連休明けでもあり、
この日、登っていたのは私独りだった。

ブナ林の登り

 

                               天然の秋田杉と広葉樹                                                                           天然の秋田杉
 


稜線からの眺め 



今回、この山に来たのはサンカヨウを見たかったから。

昨年4月に登った時(こちら)はこの山で夥しい数のサンカヨウの芽出しに遭遇している。
開花時に是非訪ねてみたいと思っていたところ、5月6日の夜、少し雨が降った。
サンカヨウの花は降雨後に透明化することがあるので、翌5月7日の早朝に訪ねてみた。
雨のせいで登山道は歩きにくかったが、一部の花で透明花現象が見られた。
ただし完全な物とは言えなかったし、
もう1,2時間、来るのが遅かったら真っ白に戻っていただろう。

                        サンカヨウ特有の透明花現象(不完全)                                                         サンカヨウの芽出し
 
 

サンカヨウの大株。降雨で散った花が多かった。
 


雨は透明化以上にサンカヨウの花そのものを散らしてしまうようだ。
サンカヨウの完全な透明花に遭うのはなかなか難しい。

今回、房住山では、サンカヨウ以外、見るべき花はほとんど無かった。

シラネアオイ。数は少なかった。                              ワサビ
 


コキンバイ。
山頂近くの雑木林に多かった。


他に咲いていたのは、タチカメバソウ、タチツボスミレ、スミレサイシン、ツクバネソウくらいだった。

山頂から南側を望む。今日は残念ながら、鳥海山は見えなかった。 



房住山ラストは石仏。

 山頂で見た石仏。怖い顔で、「番外三、大山祇命」と言うそうだ。                      こちらは優しいお顔。十六番 千手観世音。
 

 


5月7日は房住山の後、近くにある七座山(ななくらやま)にも登ってみた。
この山には一年前、4月に登っている(記録はこちら)。

七座山の連なり
 

 
登山道は大杉の脇から始まる。                             天然の秋田杉
 

稜線に至る階段                                  蓑座の展望台 
 


こちらは最高峰でも300mにも満たず、今回登ったのは蓑座(みのくら)192.4mの展望台まで。

稜線に至る階段、並びに蓑座の展望台はいつの間にかリニューアルされていた(昨年11月は古いままだった)。
階段は登りやすくなったが、展望台は以前よりも低くなっていた。
したがって、眺めは以前に較べ、悪くなっていた(以前の好い眺めはこちら)。

東側、米代川の眺め。



北側の眺め。



以前は藤里駒ヶ岳がしっかり見えていたのに、今回は木陰になり見えにくい。 

蓑座までの行き来では花はほぼ皆無だった。

北側の原生林だったら、何か有るだろうと思い、少し藪を漕いでみた。

林床はトリカブトだらけ。                                                                                猛毒植物、ハシリドコロ
 


此処は山菜取りをしない私がぱっと見るかぎりでも、シドケ、アイコ、ホンナ、ヒデコ、ミズなど山菜の宝庫だった。

しかし廻りにはトリカブトやハシリドコロがうじゃうじゃ生えているので、一本でも混入したら大変なことになる。

ニリンソウとエンレイソウの残り花



 ルイヨウボタン                                                                                         クルマバツクバネソウ
 


ラショウモンカズラ                                                                                                                    タチカメバソウ
 


以上。

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初めての房住山(2018年4月23日)

2021年04月23日 | 秋田県北の山

(本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしたものである。 )

房住山(ぼうじゅうさん)は秋田県能代市の近くにある400m前後の低山。
昔から信仰の山として知られるが、こと花に関する情報は皆無に等しい。
仕方ないので、自ら登って確認すべく、天気が悪くなる前の4月23日、ひと登りしてみた。

出羽丘陵の奥地にあるので、この山の姿を下界から望むことはなかなか難しい。
仮に見えても、眺めて良しと言うタイプの山ではない。
 

上岩川地区から房住山を望む。


たぶん左端が山頂で右端からずっと稜線を歩くことになる。
 

ぼうじゅ館の隣、林道の始まりにある鳥居はご立派。
自治体(三種町)がこの山に賭ける意気込みが感じられる。 

房住山の黄金の鳥居
 



登山口も立派だった。歩き出してすぐ、気になった木。 



樹木に詳しい方から、シウリザクラ Prunus ssiori ではないかと教えて頂く。
房住神社あたりから秋田スギの天然林に変わる。
 

参考マップ                            房住神社
 



その後は雑木林の中を緩く登る。

稜線に上がってからも雑木林が続き、展望はほとんど無かった。


 


台倉の坂の斜面が樹間から垣間見えた。

 


稜線は思った以上に平らだったが、一箇所だけ難所が有る。

そこは「ババ落とし」とも呼ばれる壮絶な急坂。

台倉の坂(ババ落とし)の案内板                                                                                               ロープに捕まりながら、急斜面を登る。
 

 

ババ落としの急斜面で見た花たち。 

ヒメシャガの芽出し。                            シュンランはいっぱい咲いていた。
 

 

上り詰めた先はまた平らな稜線。地図を見ると、410mの等高線があるので、こちらの方が最高点かもしれない。
しかしスギ林で展望は無し。
登山道はスミレサイシン・ロードと呼びたくなるほどこの花が多かった。 

スミレサイシン



タチカメバソウはまだ咲き出したばかり。                                                    エンレイソウ

 



スギが多くなった稜線道を進むと・・・



 

特徴的な芽出しが道の両側に現れる。
 

 


これはサンカヨウの芽出しだ。

いつもならかなりの深山や亜高山帯くらいの高い場所で遭遇する植物だが、
房住山では僅か標高400mの湿ったスギ林に生えていた。

それも半端な数ではない。今まで自分が見た中では最大級の群生だった。
開花は五月連休後半頃からと思われるが、一斉に咲いたらみごとだろう(サンカヨウの開花風景はこちら参照)。

道端のスミレサイシンにも少し変化が。ここでは白い花が多く見られた。
 

スミレサイシン(白花)
 



スミレサイシン(白花)                          キクザキイチゲ(青紫タイプ)
   


不思議なことにこの山ではカタクリを一度も見なかった。

今年登った低山の中では花が少ないと感じたのはそのせいだろうか。
山頂近くの乾いた雑木林斜面にはコキンバイが群生していた。
 

コキンバイ
 



トウゴクサイシン                              山頂の展望台
 


山頂に上がるとようやく展望が開ける。
天気が良ければ、遠く鳥海山も望まれると聞くが、この日はあいにくの曇り空、
おまけに靄がかかっていてこの程度だった。 

展望台からの南の方の眺め。左は高杉山(362m)、右奥は森山(325m)。

 

房住山は昔から信仰の山として知られており、石仏を訪ねて来られる方も多い。

数多有る石仏の中から、個人的に気に入った二体を。 

十四番 如意輪観音                              十八番 如意輪観音
 


以上。

 

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