キクザキイチゲは春先によく見かける野草だが、
秋田や岩手(西側)ではすこぶる多いように感じる。
春、山間部に行くと、彼方此方でこのように群生している。
2014/04/24 東成瀬村にて。
2013/05/09 東成瀬村にて。
この花は野草には珍しく、複数の花色で咲く。
一般的には白と紫で、中間の薄紫も多い。
白花のコロニー。2015/04/23 西和賀町にて。
紫花のコロニー。2015/04/23 西和賀町にて。
花だけでなく、葉の色にも変化があった。
上のコロニーの葉は褐色がかっていたが、次の群生の葉は紅味が強かった。
2014/04/29 東成瀬村にて。
次は西和賀町で見かけた大群生地。
ここではカタクリも混生していた(少し離れた場所ではエゾエンゴサクも混生)。
2011/05/12 西和賀町にて。
キクザキイチゲは白と薄紫が混生していた。
2011/05/12 西和賀町にて。
また東成瀬に戻って。
ここでは白と紫のキクザキイチゲの他に、黄色のフクジュソウや近縁のアズマイチゲも混生していた。
2015/04/23 東成瀬村にて。
わかりにくいので、アズマイチゲを(オレンジの)破線で囲んでみた。
よく似たアズマイチゲについては、「君はアズマイチゲを見たか。」をご参考頂きたい。
ウィキペディアによると、
キクザキイチゲ(菊咲一華、学名:Anemone pseudoaltaica)は、
キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草。キクザキイチリンソウ(菊咲一輪草)とも呼ばれる。
【特徴】北海道、本州の近畿地方以北に分布し、落葉広葉樹林の林床などに生育する。
高さ10-30 cm。花期は3-5月で、白色~紫色の花弁状の萼片を持つ花を一輪つける。
花弁はない。キクに似た花を一輪つけることからこの名がついた。
春先に花を咲かせ、落葉広葉樹林の若葉が広がる頃には地上部は枯れてなくなり、
その後は翌春まで地中の地下茎で過ごすスプリング・エフェメラルの一種。
山梨県など複数の都道府県で、レッドリストの絶滅危惧I類や絶滅危惧II類などの指定を受けている。
なお分布域は、
改訂新版・日本の野生植物(平凡社)によると、日本国内だけでなく、朝鮮半島にも有ると記載されていた。
キクザキイチゲのプロフィールは、
「森と水の郷あきた」のホームページのこちらにも詳しい解説がある。是非、目を通して頂きたい。
白花の株。2020/05/24 秋田市太平山にて。
薄紫と白。2017/03/26 鶴岡市高館山にて。
薄紫の株。2017/05/01 秋田市高尾山にて。
中にはドッキリするほど、濃い青紫の個体も有った。
2019/04/17 東光山にて。
2020/05/24 秋田市太平山にて。
2021/04/06 七座山にて。
その他、変わった個体をいくつか。
薄い緑花。2019/04/17 東光山にて。
薄いピンク花。2017/03/26 鶴岡市高館山にて。
キクザキニリンソウ?と萼片の枚数が異常に多いタイプ。
2016/05/08 秋田市太平山にて。
2019/04/18 男鹿半島にて。
こちらは一見、ふつうの白花株のようだが、サイズが異常に大きかった。
草丈は約50センチ、花の径も10センチ近くあった。
染色体が倍数化したものかもしれない。
2015/04/19 秋田市高尾山にて。
キクザキイチゲは開花中、雨に遭うと、また夜間や朝は花を閉じる傾向がある。
秋田では、この花を「あめふりばな」と呼ぶこともあるが、
これは雨で花を閉じるせいなのか、
はたまたこの花を摘むと雨が降るとの戒めなのか、定かではない。
2021/03/19 高館山にて。
2008/05/08 七座山にて。
この植物はカタクリやエンゴサクのように球根植物ではないが、
スプリングエフェメラル(春の妖精)の性質を持っている。
花が終わり、半月もすると、右上のような実姿になり、更にもう少しすると、
葉が透けて来て、地上部は無くなる。
六月以降は翌年早春まで地下で休眠する。
以上。
40年くらい前のゴールデンウィーク、家内と長野へ旅行した際、
おばすての駅近くで、イチリンソウの群生を見ました。
秋田には無い花なので感激しました。
そのほかにキクザキイチゲもあるとは。羨ましいですね。
私も先日、長野の高遠城址公園に行き見つけました。この時期あちらこちらで見かけますね。可愛らしくて好きな花です^ ^
私の育った十文字町は平野で水田か果樹園ばかりだったので、
この花は知りませんでしたが、
長じて自転車で山あいまではしるようになり、
初めてこの花を知り、めんこい花だなと思いました。
その後、同じ横手市でも山あいに住む家内と結婚し、
「あめふり花っこ」という方言名があることを知りました。
カタゴとはかたくりですね。
同じ時期に同じ場所に一緒に咲くめんこい花なのでごっちゃになったのかもしれませんね。
この花を摘むと雨になるって信じてました(笑
カタゴとはかたくりの事を言いますがキクザキイチゲがなぜアメフリカタゴだったのかはわかりません(´∀`*)ウフフ
A. blanda は、球根というよりイモですね。植えたのはずいぶん前なのでどんなふうだったから覚えていませんけど。
リンクの件、オーケーです。キクザキイチゲとAnemone blandはよく似てますね。
後者は昔、球根を取り寄せてよく植えておりましたが、気候のせいでしょうか。
秋田では二年くらいで消えてしまうんです。
キクザキイチゲは球根ではなく、地下茎を横に伸ばして増える性質です。
花筵を作るのはそのせいのようです。
近々、キクザキイチゲと近縁種の anemone blanda について書くつもりなんですが、あなたのこの記事をリンクしてもよろしいですか。
anemone blanda が花ざかりのお庭で悦にいっている flowerconnection より。