モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

男鹿でヤマシャクヤクとシャクの海を見た。(2022年5月20日)

2022年06月04日 | 男鹿半島5月

(本頁は「2022年も男鹿でオオサクラソウを見た。」の続きです。)

オオサクラソウを見た後は休憩もせずに、毛無山をさっさと下山した。
この山の山頂は自衛隊レーダー施設になっている。

それ以外の山頂部は樹木で眺めは好くないし、休憩出来るような場所も無い。

下山となったら、パッと霧が晴れ、日が注ぐようになった。
同時にブナ林ではエゾハルゼミが鳴き出した。
蝉しぐれをおかずにして、下山途中、中腹で握り飯を食す。
草の露も蒸発して来たので、途中のある地点から藪漕ぎを開始した。
これは藪の中に有るヤマシャクヤクやエビネの開花状況を確認するためだ。
生育地に着いたら、ヤマシャクヤクは蕾どころか、早くも三個咲いていた。
藪漕ぎしてでも来てよかった。

写真はそのうちの開花状況がよかった株(他二個は花弁が落ちかけていた)。

ヤマシャクヤクの開花株






近くでキクバオウレンの実姿。




エビネはまだ蕾だったが、思わぬところでキンランが咲いていた。

今回の山行きは雨に遭ったものの、花運には恵まれていたようだ。

エビネの蕾
 

                                                 キンラン


毛無山(五社堂ルート)を下山した後、この春に知った福寿草山がその後どうなったのか、
気になったので行ってみた。入り口の海岸ではオオハナウドが咲き出し、
山の方ではヤマフジの穂花が咲き乱れていた。

オオハナウド


ヤマフジ




ここで参考までに4月2日の福寿草山(詳細はこちら)。




約ひと月後、4月28日の福寿草山(詳細はこちら)。




福寿草山は先月末に来た時は上写真のようにニリンソウの海だったが、
今回は・・・




予想した通り、シャクの海になっていた。
このセリ科はヤマニンジンとも呼ばれ、ニンジンのような根っこや若葉は山菜として食用可のようだが、
私はまだ食したことが無い。
秋田では山であれ、低地の道端であれ、どこでも見かけるが、
こんなに広い面積にびっしり生えて咲いているのを見たのは初めてだった。
花の終わったフクジュソウやニリンソウの上をみごとに覆い尽くしていた。
小道を歩くと、全身がシャクの花弁や花粉で白くなり、特有のセリ科臭でクラクラするほど。

シャクの海



シャクの海



シャクをアップで。




 
                                             オオハナウド


場所によってはオオハナウドが混じっていた。
写真は撮れなかったが、この海には緩い飛び方をする白っぽい蝶々がいっぱい居た。
ウスバシロチョウだ。
前回、来た時、ここにはムラサキケマンがいっぱい咲いていたが、この蝶はこれを食する種類だ。

またまたシャクの海。







このお山はどこまで行ってもシャクの海だったが、
注意して見ると、場所によってはラショウモンカズラやオドリコソウの古花が混じっていた。

ラショウモンカズラ
 

                                            オドリコソウ


また五社堂ルートでは蕾だったエビネがここでは咲き終わるところだった。

エビネの小群生


エビネ
 



ここには他にも何か珍しい植物があるかもしれないとシャクの疎らなところを歩いていたら、

こんな草に出くわした。

 


高さは30センチくらい。ぱっと見、針葉樹のようだが、細かい葉はフワフワと柔らかく、
アスパラガスのような触感。
花は咲いていたが、とても小さく、
私のカメラレンズでは撮れないレベルだった。

45年前、十勝の湿原で一度出会っているが、自信が無かったので、
帰宅後、図鑑で調べたら、やはりキジカクシ Asparagus schoberioides だった。

ちなみにアスパラガスの和名はオランダキジカクシで同じ属だから、
和製のアスパラガスとなるか。もちろん食用にもなるが、これでは腹の足しにもならない。
キジカクシの名前は雉を隠すような草姿に由来するようだが、
私の出会った個体は小さいので、ウズラかスズメを隠すので精一杯だろう。

ところでキジカクシ科ってご存じだろうか。書籍によってはクサスギカズラ科とも呼んでいる。
APGⅡ分類体系でユリ科から分離独立した科のひとつだが、
スズランやギボウシ、アマドコロ(ナルコユリ)、マイヅルソウ、ヒヤシンス、ムスカリ、オモトなどが所属する。
科名が何ゆえこんな地味な植物の名になったのか不思議だ。

ラストは福寿草山近くの海岸風景。




男鹿は希少植物の宝庫だ。

或る方から海岸(断崖)の植物も調べてみたら・・・と言われている。
すこぶる珍しい種類が見つかるかもしれない。
しかし命がいくら有っても足りない。遠慮させて頂く。。((((((逃geru

以上。


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