6月1日は当初、男鹿に行こうと思い、早朝5時半頃に家を出ました。
ところが北側の男鹿方面には低く雲がかかっていました。
それに対し、南側はよく晴れており、鳥海山がよく見えました。
鳥海山方面、南側には4月28日に百宅までドライブし(記録はこちら)、
序でに八塩山に登っておりますが、
その後、五月中は一度も行っておりませんでした。
したがって今年は水田鳥海(水を張った水田に映る鳥海山)をまだ見ておりませんでした。
また鳥海山の雪解けも進んでいるので、そろそろ雪形も現れていることでしょう。
急遽、行き先を南に変更しました。
日本海東北道を走り、本荘インターで降り、今度は国道107号線を走り、
途中から108号線に移行しますが、前郷の手前付近から鳥海山がよく見えます。
前郷(L)から。
此処では早苗が植わった水田に鳥海山が映って見えました。
ただし手前の丘陵上に風車が並んで立っているのが少々目障りです。
撮影地マップ
次いで旧・矢島町の郊外(B)から。
ここからは風車は見えないのですが、水田がありません。
その後、猿倉(D)へ移動します。
ここは秋田県側では鳥海山頂に最も近い人里です。
水田を前面に、ひな壇状の前山に載った鳥海山が大きいです。
早苗の密度が高くなってしまい、鳥海山のリフレクトが見えにくくなっていました。
鳥海山に現れる雪形はにかほ地方から見える「パンダ」や「うさぎ」、
庄内地方から笙ヶ岳に見える「種蒔き爺さん」がポピュラーです。
うさぎさんとパンダ 2018/05/20 にかほ市田抓(たづかみ)(O)から。
「種蒔き爺さん」は手持ち写真が無いので、友人・菅谷正夫氏の写真を使用させて頂きます。
菅谷正夫氏撮影写真
鳥海山にはもうひとつ、「ねんねこぼぼこ」というユニークな雪形があります。
この雪形は、秋田の内陸盆地、横手市の南部や湯沢市の北部からよく見えます。
こちらも私は好い写真の持ち合わせが無いので、菅谷正夫氏が撮られた写真で紹介させて頂きます。
菅谷正夫氏撮影写真
「ぼぼこ」とは秋田弁で赤ん坊を指します。
しもぶくれの赤ん坊が目を閉じている様子がわかりますでしょうか。
折角なので、菅谷正夫氏が撮られた「ねんねこぼぼこ」をもう二枚紹介させて頂きます。
菅谷正夫氏撮影写真
ぼぼこの顔は、田んぼの作業、代掻きが始まる頃から、見えて来ます。
ハッキリとした姿になるのは田植え以降です。
菅谷正夫氏撮影写真
この雪形は県南では田植えの行事と一体化した風物になっているようです。
今日はこの『ねんねこぼぼこ』を至近距離から眺めてみようと思いました。
そのためには由利本荘市の最奥の集落、百宅(ももやけ)まで行かなければなりません。
次の写真は以前、私が百宅(E)から撮ったものです。
2020/05/26 百宅地区から見たもの。
ところが今日は百宅の入り口に着いたら、
朝7時を過ぎており、既に鳥海ダム工事関係の車両が慌ただしく走り出していました。
こんな時、道路端に駐車して撮影するのは気が引けますので、
今回、百宅まで行くのは諦めました。
代わりにひとつ手前の直根(ひたね)(P)から撮ってみました。
黄砂のせいでしょうか。
ここから見るぼぼこは黒く薄汚れた感じでした。
直根の奥、笹子峠に登る途中(F)からもちょっとだけですが、鳥海山が見えます。
ゼブラ状の雪縞が多くなってわかりにくいのですが、一応、「ねんねこぼぼこ」が見えました。
こちらはぼぼこと言うよりも悩みを抱えた少年のようでした。
今回、至近距離からの「ねんねこぼぼこ」はあまり好くなかったです。
この雪形は少し距離を置いた横手市の南部や湯沢市の北部から眺めるのがベストなのかもしれません。
下笹子から羽後町仙道に移動し、牛ノ沢(G)まで行くと、
ここも一瞬ですが、鳥海山が見えるようになります。
ギリギリですが、老けた「ねんねこぼぼこ」が見えました。
八塩山の山頂台地から見た鳥海山です。
ここからは鳥海山の全体がよく見えますが、
「ねんねこぼぼこ」はいびつな形になってしまい、わかりにくいです。
鳥海山東斜面特有のまだら模様残雪を愉しむとしましょう。
「初夏の八塩山は・・・」に続く。
ことり
雪形と言うと、種蒔き爺さんの他は馬など動物が多いのですが、
赤ちゃんの顔は珍しいと思います。
私の実家(横手市南部)からも見えますが、その存在に気付いたのは割と最近、ここ十年くらいでした。
一度、認識すると忘れられない、面白い雪形ですね。
10年くらい前にあがりこ大王と法体の滝の新緑を撮りにいきました。次回はぜひ紅葉のあがりこ大王をゆっくり撮影してみたいです。
秋田に生まれ、秋田で死んでいく私にとって
鳥海山はずっと特別な山であり続けると思います。
あがりこ大王は昨年秋、久々に行ってまいりました。
https://blog.goo.ne.jp/mouura2/e/5acde3d3828fe0f77a13d1019bb7ffe3
残念ながら昨年秋は紅葉が不発でした。錫杖さんに期待します。