五月下旬のとある日、うちの近所の工業団地を通ったら、
ホオノキの花に遭遇した。
ホオノキそのものは、(秋田ならば)山に行けばごく普通に見られる。
葉がばかでかいので樹木音痴の私でも他の木とすぐ区別できる。
ところが花は木の先端部に咲く傾向が有り、
しかも木そのものが10~30mと高いため、なかなか見ることが出来ないでいた。
今までの山行きでホオノキに親しく接したことと言えば、冬場の巨大な落果ばかりだった。
なお近所の工業団地は段丘の上に立地している。
今回、私が見たホオノキの花は段丘の急斜面の途中に生えた木のものだった。
よって急斜面の上の端を通る道路からだと、花が目の高さに近くなっていた。
間近に見る花はとても立派だった。直径は20センチ前後。
日本国内に野生する樹木としてはおそらく最大の花と思われる。
ホオノキの属するモクレン科の植物は恐竜が栄えた中生代白亜紀に出現したと言われている。
なんか恐竜になった気分でホオノキの花を見てしまった。
花のアップ
蕾
雄蕊が落ちた花。残った蕊は雌蕊だそうだ。
蕾と花
一応、他の山で以前に見た巨大な落果も。
左は晩秋、落ちた実を拾ってホオノキの落葉の上に並べてみた。
右は春になって残雪の上に落ちたもの。まわりの褐色の粒はブナの芽鱗。
同じ写真を二日前、face bookに載せたところ、友人たちからいろいろ反響があった。
昆虫の進化に詳しい友人から、ホオノキの花がでかい理由に関して、
興味深い話を聞いたので、追加で抜粋引用させて頂く。
『新生代の花粉媒介者は、ハチ、アブが主役で、チョウがちょっとお手伝いという感じだが、
白亜紀の花粉媒介者は、甲虫類が主だったようだ。
コガネムシ類が花粉を食べに来て、たまたま送粉をしてしまうというのが虫媒花の始まりだったようで、
重い花粉媒介者に対応して、白亜紀の虫媒花は、大きく頑丈な花を咲かせたようだ。
例えば、モクレン、ハス、スイレンなど。』
ホオノキの花がでかいのはその名残だろうか。
以上。
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