本記事は自ホームページの旧記事をブログ用にリメイクしたものである。
焼石岳の知名度はいまひとつながらも、花がとても多いお山だ。
その花に魅了され、四半世紀も前の話だが、十回くらい通って見た。当時は登山者がとても少なかった。
その後、長いブランクを経て、2017年のこの日から焼石行きを再開した。
5月19日、横手市十文字町から見た焼石岳。
今回は秋田市を午前3時半に出発、登山口の中沼入口には5時半に着いたものの、駐車場はギリギリ滑り込みセーフだった。
私より後から来た皆さんは延々と路肩駐車になるくらい今日は登山者が多かった。
車のナンバーを見ると、関東地方が多かった。いずれにしろひと昔前には考えられないような混みようだった。
今回の非合法マップ。
林の中を歩き出しても場所によっては行列になるくらいだったから、今日はクマの心配は無用のようだ。
だが中沼までの登りはあいかわらずしんどい。林の緑も濃くなり、無風で見通しがさっぱり効かない。
しかし中沼に着いた途端、
中沼から横岳を望む。
中沼を振り返る。(下山時、撮影)
素晴らしい風景が展開。今までの疲れや愚痴はどこへやら。足取りは急速に軽やかになる。
途中の湿地では、ミズバショウやリュウキンカなど春の花が咲いていたが、今回は省略。
残雪の多いエリアは足早に通り過ぎた。
姥石平はあいにくガスっていたので、今は立ち寄らず、焼石岳山頂をめざす。
焼石岳山頂。ガスで何も見えなかった。 イワカガミ
イワウメとミヤマダイコンソウ。ミヤマダイコンソウは葉は目立つが花付きはよくなかった。
山頂に居る間はガスって何も見えなかったが、下りた途端に晴れてきた。
よくある話だが、焼石ではいつもそんな感じ。
以降、姥石平から東焼石岳にかけての広大なお花畑の様子を報告してみる。
焼石岳山頂と姥石平のお花畑
横岳をバックに。
今の時期、ここのお花畑はハクサンイチゲ(白)が多く、
それに黄色のミヤマキンバイやキバナノコマノツメ、マゼンタのミヤマシオガマ、青みがかったピンクのユキワリコザクラ、チングルマ(白)などが加わり、おおむね四色の花むしろを形成する。
その規模、花の種類数ともに東北屈指のお花畑と思われる。
花たちを個別にピックアップしてみる。まずは沢山あるのでタクサンイチゲとも悪口を叩かれるハクサンイチゲ。
ハクサンイチゲ
ハクサンイチゲにミヤマキンバイ
ミヤマキンバイ単品 ハクサンイチゲにミヤマシオガマ
今の時期、ハクサンイチゲの白地に、よく目立つのはマゼンタのミヤマシオガマ 。
この花、東北では早池峰山、羽後朝日岳、船形山、月山など限られた山に自生し、鳥海山や秋田駒ヶ岳など新しい火山には無いようだ。
焼石岳では数が多く、珍しい白花も登山道脇で見られるほど。
ミヤマシオガマ。周りはミヤマキンバイ。
ミヤマシオガマ。右手前にユキワリコザクラ。
ミヤマシオガマ。周りにはホソバイワベンケイ。 ミヤマシオガマの白花タイプ。
ミヤマシオガマ。左隣にユキワリコザクラ。
ユキワリコザクラは開花時期が早く、ハクサンイチゲが盛りになる頃には終わってしまうのだが、今回はかろうじて間に合った。
ここでは常に他の花と混じって咲くので単品での撮影はなかなか難しい。
ユキワリコザクラとミヤマシオガマ ハクサンイチゲとユキワリコザクラ
ユキワリコザクラとミヤマキンバイ。
やっと単品に近い写真が撮れた。
ユキワリコザクラ
焼石岳にはもう一種類、プリムラ(サクラソウ類)が咲く。
ヒナザクラ は東北地方固有の白花で雪渓近くなどの湿った場所に群生する。
今回は咲き出したぱかりだった。
ヒナザクラ ムシトリスミレ
チングルマ
花の小道をいつまでも歩いていたいけど
そろそろ帰らなくちゃ。
以上。
6月20日です。
お花がいっぱいで足が進まなかったことを、思い出しました。
今年も東北のお山に・・と計画していたのですが、すべて✕
ここで楽しませていただいてます。
2017年以降は毎年複数回登っておりますが、ホント花の多い山ですね。
今年も行こうと思っていたのですが、このお山、山頂部は岩手県なのです。秋田では県境を越えるなとの県知事の禁令がまだ生きております。
というわけで私自身も今年初夏は行けそうにないので急遽、古い記録をリメイクし、アップしたような次第です。
すばらしい花園。うっとりしながら見せて頂きました。
<ヒナザクラ は東北地方固有>知りませんでした。
秋田駒では、良く見てましたが、東北固有とは。
かわいいお花ですね(^^♪
東北の高山では当たり前の感のするヒナザクラですが、その分布は八甲田から吾妻山までと聞きます。
ただし東北では岩木山が濃いピンクで大型のミチノクコザクラ、早池峰がより可憐なヒメコザクラ、
飯豊より南はハクサンコザクラに置き換わってます。
焼石や岩手山では薄桃紫のユキワリコザクラも有るので、なんか得したような気分になります。
今シーズンはコロナ禍による移動自粛要請も有り、どこのお山も遠く感じられます。
19日以降は県をまたぐ移動も解禁になるとのことですが、日々の感染者数速報などを聞いても一向に減る気配もなく憂鬱になってしまいます。
しばし過去の登山の脳内での振り返りが続きそうですね。
お花をこんなに取り上げて頂いているブログは、私が知っている限りはなく、詳しくて、しかも画像が美しいので、お花を堪能「しています。
宮城に住んでいますので、馴染みの山が投稿されているのも嬉しいです。
かつて上った山の花と重ね合わせながら拝見しています。
焼石岳は花の百名山に選ばれているように、花、花、花で、花に引かれるようにアップダウンの多い山を登ったことが思い出されます。
16年6月16日には東成瀬コース登山口から、18年6月22日には中沼コースから登っています。
中沼周辺での満開の更紗満天星も素晴らしかったですよ。
今後とも、素敵な山の花を楽しみにしています。
焼石も最近は有名になったのか登山者も増え、
以前のようにのんびりマイペースで花を愉しめなくなりましたが、
懐の深い山なのでまた新たな愉しみを見つけようと思っております。
そのためには今年もまた行かなければなりません。
早く県境越え解禁になるといいですね。