(本頁は「鳥海山の花図鑑/初夏2・お花畑」の続きです。)
本項では、概ね六月から七月上旬にかけて咲く花のうち、比較的高所、
鉾立ルートならば、七五三掛から外輪山稜線を経て七高山までと
滝の小屋ルートの八丁坂(高所、山頂部ではない)や薊坂でよく見かける花を主体に扱ってみた。
何か間違い等にお気づきの方は遠慮なくご指摘頂きたい。
2019/07/06 外輪山内壁のイワウメ群生とハイマツ。
ミヤマキンバイ Potentilla matsumurae
鉾立ルートでは御浜より上(御浜付近ではハクサンイチゲと混生)、
滝の小屋ルートでは八丁坂から上、山頂部まで広く見かける。
開花はとても早いが、秋に狂い咲き?することもある。
2015/05/30 御浜にて。
マルバシモツケ Spiraea betulifolia
八丁坂や扇子森に多いが、他の場所でも散発的に見かける。
2019/07/06 八丁坂にて。
ウラジロヨウラク Menziesia multiflora
2019/07/06 八丁坂にて。
ウラジロハナヒリノキ Leucothoe grayana var. glaucina
花は地味だが、紅葉は素晴らしい。
2019/07/06 八丁坂にて。
ミヤマヘビノネゴザ Athyrium rupestre
高山性の羊歯。八丁坂の灌木や草の間に多く見かける。
ミヤマハンショウヅル Clematis alpina ssp. ochotensis
鳥海山の登山道沿いではあまり見かけないが、八丁坂には比較的多いようだ。
ミヤマヘビノネゴザ 2019/07/06 八丁坂にて。 ミヤマハンショウヅル 2019/07/06 八丁坂にて。
ベニバナイチゴ Rubus vernus
雪渓の際などに多く、雪解け後、ほどなく咲き出して夏にはイチゴが実る。
実は甘味があるが、じゃりじゃりして美味しいとは言い難い。
雪が遅くまで残る祓川ルートは登り始め(低所)から多く、秋になって咲き出すものもある。
2019/07/06 薊坂にて。
ベニバナイチゴの花アップ
ベニバナイチゴの実 2015/09/27 祓川にて。
ハクサンシャクナゲ Rhododendron brachycarpum
代表的な高山の常緑低木。比較的低所から見られる。
七月になると咲き出し、盛夏にも咲き残る。花色は白の他に仄かにピンクの個体も有る。
2019/07/06 薊坂にて。
ホソバイワベンケイ Rhodiola ishidae
鉾立ルートでは御浜から上。滝の小屋ルートでは八丁坂から上、薊坂から山頂部にかけて広く見かける。
雄株、雌株がある。初秋の草紅葉も素晴らしい。
2019/07/06 七高山にて。
雌花は古くなると赤味が出て来る。2015/07/11 康新道にて。
ミネザクラ(タカネザクラ) Prunus nipponica
2015/05/30
ハイマツ Pinus pumila
2020/06/24
ミヤマハンノキ Alnus maximowiczii
コメバツガザクラ Arcterica nana
岩場に多い。開花は早く、夏山シーズンには花が終わっている。
ミヤマハンノキ 2015/05/30 コメバツガザクラ 2015/05/30
イワウメ Diapensia lapponica var. obovata
冒頭写真のように外輪山内壁に大群生するが、落石の危険もあり、なかなか近づけない。
小規模な群生は外輪山稜線の岩上で多く見られる。開花時期が早く、夏山シーズンには花が終わっている。
イワウメ 三枚とも、2019/07/06撮影。
ピンクを帯びた株
「盛夏1」に続く。
小さい花なのですか? 正に”花の楽園”!
家でこんな美しい花を見せて頂けるのも
mouura2さんの苦労と努力のおかげです。
美しい花、色とりどりをありがとうございます。
感謝 m(__)m!
花の大きさですが、イワウメは2センチくらい、
ミヤマキンバイは1.5センチくらい有り、
どちらも密に咲くのでけっこう見ごたえがありますよ。
特に鳥海山のイワウメは国内でも最大規模の群生でみごとですが、開花時期が早く(その頃、中腹は雪がいっぱい)、見逃すことが多いです。