気になっていたラーメンをいただきたくふらふらと、
・・・・・・どこだここ？
袋町？鉄砲町？幟町？
よく知らないながらもなんとか巡りつく。
元祖トマトラーメン 『ヴォーノ』
住所：広島県広島市中区幟町7-17 吉益ビル２Ｆ
確か『ぼーの』って、“おいしい”って意味だった気がする。
なんか頬横を手でぐりぐりしてぼーの!っていうシーンをテレビで見た記憶はあります。
おいしい店だということであろう。疑いない。
えーと、時間確認。
今は21時前。
お店は22時までラストオーダー21時半。
まだいける。
トコとんトン、と階段を上る。
そう、2階にあるのだ。
がちゃっと入店。
マスターが一人でやっている。
どこでもいいよ、とのことで窓際二人席にひとりで着陸。
えっと・・・・・・・・・パスタ屋さんだ。
トマトラーメンを選んでも良いものかと一瞬の逡巡。
すると・・・。
「トマトラーメンにしますかね?」
「は、はい」
ムシマルがトマトラーメンに段々心惹かれていくそのさまを、マスターの嗅覚で判断されたのだろうか。
ともかく、望むままにトマトラーメン。
願ったままのリコピン。
待つ。
待っている間に起きたこと。
〇レコードがかかっていた。
いやLP盤とかなのかもしれないけれど、けっこう大きな音で鳴らされている。
「40年前のレコードなんですが、けっこう良い音するでしょ」とマスター。
ジャズ？
でもムシマルのなかではうねる感じの音楽はだいたいジャズに分類してしまうからな。鵜呑みにできないです。
〇お客さんがたくさん来た。
3名のマダム客。
カウンターに座り広島カープVS巨人野球戦を見だす。
パスタ頼まれる。
少しして、7名の若者おのこ達。
大学生くらいか?
パスタとトマトラーメンを半々くらい割合いで注文される。
夜パスタも人気なんだな。
「ラーメンのひとはこっち側に座ってくれるとありがたい」みたいなことを。
客あしらいが独特。
とか思いながら待っていると来る。
じゃん。
うわうわ。
予想よりは赤くない。
赤茶。
ふむ、赤身がかっていること以外は一見して一貫してラーメンだ。
いただいてみよう。
麺リフト。
あ、麺が何か。
つやつやしている。
つややかな平麺で、ツゥルルルンと口の中に入る。電話のようだ。
どこか情熱的、酸味は明るい酸味、
麺とスープの絡みはどこか近代的で。
これは、すごく上手。
トマトラーメンのトマトをちゃんとラーメンに落とし込んでいる。
ちゃんと中華の中でありえそうだ、シルクロードの途中のどこかヤヴァイところにこんな料理があったと言われると信じてしまう。
スープごくごく。
トマト味、って単純に言えない。
醤油味とか豚骨ラーメンに、トマトを足したものとも違うような。
辛くない豆板醤に酸味が、とかなんかいろいろ言いたくなるような感じ。
事実はもっと単純なのかもしれないが、
食べなれていないせいもあってか複雑に感じる。
ムシマルはわからないものを大きく感じてしまう。
ああ、これはわかる。豚肉だ。
2枚入っていて、でもスープの赤グロの中でたゆたっている。スタンダルっている。
熱量あるトマト。
なんだかお酒に酔った朱と逆ベクトルに染まっているようで。そして。
麺完食。
お汁は、残しておいた方がいいよ。
あるマスターの言葉だ。
15分前にこの店のマスターから聞いた言葉。
なぜ残すのか、そこにライスがあるからだ。
150円追加でチーズ＋ライス。
「お、食べたね。やるかい？」みたいな雰囲気から。
来た。
こいつをどぼどぼ。
「よくかき混ぜてね」これもあるマスターの言葉だ。
よくかき混ぜ、こねまわし、掬っていただく。
トマトとチーズの野蛮。
チーズ効果でより粘度が高くなった、ごはん。
ねっとりと熱く、じっとりと重い。
850円。
〆にこれはなかなか、いい。
24時くらいまでやってくれるとすごい嬉しいのに。
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