『真空管アンプ Raccoltaにチャンネルデバイダーを追加発売 vol.21』の続きです。
Raccoltaシリーズにフォノアンプとチャンネルデバイダーが発売されました。
今日はチェンネルデバイダーの『調整方法の応用編』です。
前回の調整編が完了し、音楽が問題なく再生されている2WAYマルチアンプシステムにおいて
マルチアンプシステムの特徴を生かした更なる高音質化の方法を考えてみます。
(4)高域と低域のバランス その2 です。
なぜインピーダンスが高いと音質が劣化するのでしょうか?
前回計算したボリュームの位置が真ん中にあるときのインピーダンスは11.75キロオームでした。
これは信号に直列に11.75キロオームが入っている状態と同様に考えることができます。
それだけであれば、問題はありません。
ところが、パワーアンプの入力回路には
いたるところにストレーキャパシティやコンデンサーが存在しています。
よくあるのは高周波ノイズをカットするための入力コンデンサーです。
中には100ピコファラッドほどのコンデンサーが入っている場合もあります。
次に入力容量です。
高周波に使用する真空管などは規格表に
グリッド-カソード間やグリッド-プレート間の容量が書かれているものもあります。
パワーアンプの初段管として使われることがある12AT7では
グリッド-カソード間は2.2ピコファラッド
グリッド-プレート間は1.5ピコファラッドです。
さらに、プリント基板を使用しているとグランドと入力回路の間にさらに大きな
ストレーキャパシティが発生しています。
極めつけはシールド線です。
シールド線はノイズには強いのですが、
ストレーキャパシティは10ピコファラッドを超えることもあります。
仮にこれらの合計が200ピコファラッドだとすると
20KHzでのインピーダンスは
1/(2×3.14×f×c)=1/(2×3.14×20000×200×10^(-12))=39.8キロオームとなります。
直列に11.75キロオーム入っているわけですから
39.8/(39.8+11.75)÷100=77.2%
出力は77.2%しかでてきません。
同様に1KHzでのインピーダンスは
1/(2×3.14×f×c)=1/(2×3.14×20000×200×10^(-12))=796キロオームとなります。
直列に11.75キロオーム入っているので
796/(796+11.75)÷100=98.5%
出力はほぼ100%でてきます。
つまり1KHzと比較して20KHzでは2割ほど出力が下ってしまうことになります。
現代のメーカー製のアンプはまず大丈夫だと思いますが
古いアンプや自作アンプではけっこう見かける現象です。
チャンデバの音量調節がこのようになることはまずありませんので
無難なのはパワーアンプのボリュームを全開にして
チャンデバのボリュームで調整するのが良いと思います。
・・・次回に続きます。
チャンネルデバイダー/バイアンプコントローラー Raccolta-control
クロスオーバー周波数 18Hz~22KHz(別売ユニットで設定)
外形寸法 W390mm × H68mm × D94mm
標準価格 ¥59,800(税別)
詳細はこちらをご覧ください。
ムジカ設立15周年記念 カスタマイズ・キャンペーン
お申込みは7月31日までです。
詳しくはこちらまで。
通常の半額でのカスタマイズです!お申込みをお待ちしています!
新製品Raccoltaの乗り換えキャンペーン開催中
詳細はこちら
6月のイベントは山寺レコードコンサートです
今回は軽食での開催で、参加費は500円です!
5月20日が申込締切です。
Raccoltaシリーズにフォノアンプとチャンネルデバイダーが発売されました。
今日はチェンネルデバイダーの『調整方法の応用編』です。
前回の調整編が完了し、音楽が問題なく再生されている2WAYマルチアンプシステムにおいて
マルチアンプシステムの特徴を生かした更なる高音質化の方法を考えてみます。
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なぜインピーダンスが高いと音質が劣化するのでしょうか?
前回計算したボリュームの位置が真ん中にあるときのインピーダンスは11.75キロオームでした。
これは信号に直列に11.75キロオームが入っている状態と同様に考えることができます。
それだけであれば、問題はありません。
ところが、パワーアンプの入力回路には
いたるところにストレーキャパシティやコンデンサーが存在しています。
よくあるのは高周波ノイズをカットするための入力コンデンサーです。
中には100ピコファラッドほどのコンデンサーが入っている場合もあります。
次に入力容量です。
高周波に使用する真空管などは規格表に
グリッド-カソード間やグリッド-プレート間の容量が書かれているものもあります。
パワーアンプの初段管として使われることがある12AT7では
グリッド-カソード間は2.2ピコファラッド
グリッド-プレート間は1.5ピコファラッドです。
さらに、プリント基板を使用しているとグランドと入力回路の間にさらに大きな
ストレーキャパシティが発生しています。
極めつけはシールド線です。
シールド線はノイズには強いのですが、
ストレーキャパシティは10ピコファラッドを超えることもあります。
仮にこれらの合計が200ピコファラッドだとすると
20KHzでのインピーダンスは
1/(2×3.14×f×c)=1/(2×3.14×20000×200×10^(-12))=39.8キロオームとなります。
直列に11.75キロオーム入っているわけですから
39.8/(39.8+11.75)÷100=77.2%
出力は77.2%しかでてきません。
同様に1KHzでのインピーダンスは
1/(2×3.14×f×c)=1/(2×3.14×20000×200×10^(-12))=796キロオームとなります。
直列に11.75キロオーム入っているので
796/(796+11.75)÷100=98.5%
出力はほぼ100%でてきます。
つまり1KHzと比較して20KHzでは2割ほど出力が下ってしまうことになります。
現代のメーカー製のアンプはまず大丈夫だと思いますが
古いアンプや自作アンプではけっこう見かける現象です。
チャンデバの音量調節がこのようになることはまずありませんので
無難なのはパワーアンプのボリュームを全開にして
チャンデバのボリュームで調整するのが良いと思います。
・・・次回に続きます。
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