「 やきいも屋耳の故郷よなつかしく 」
子どものころ、冬の夜に勉強していると聞えてきた焼き芋売りの音。
買ってみたいな、でも、とんでもなく高いんだと聞いた。
このごろは八百屋さんやスーパーでも焼き芋は売っていて、珍しいものではないけれど、子どものころは焼き芋は焼き芋屋さんからしか買えないものだと思っていた。
どんなふうに売っているのか、どうやって作っているのか、いくらするのか、全くわからない憧れの焼き芋。
それが謎めいていて、不思議な夢の国からやってくる物売りのように感じられていた。
実態を知らないからこそ、幻想のように郷愁とともに記憶に残っている。
それは今となっては、耳の故郷から甦ってくる。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます