
「 老いた師と弾いては話す忘れても
この余韻さえしばし残れば 」
私が公私ともに人生で一番尊敬している箏の師匠。
記憶が日々、定かでなくなってきているそうです。
2年半ぶりにお訪ねしていっしょに手合わせをお願いしました。
学生時代にお世話になり、遠く離れてしまったため、子育て中はほとんどお会いできませんでした。
学生時代の記憶で、私のことは覚えてくださっています。
伝統箏は普段あまり弾いていないので、簡単な曲を合奏していただきました。
名門の二代目である先生ですが、今はお箏を弾くことも忘れている。
もう半年ぶりになるそうで、そんな生活を娘さんから伺うのはさびしいことです。
でも、やっぱり弾き出せばさすがの大師匠です。
私との時間を楽しんでくださったこともあるでしょうし、また、先生自身がもっと弾きたいという熱を感じつつお別れしてきました。
誰が訪ねたのか、すぐに忘れてしまわれたそうですが、そんなことは全く問題ではなくて、先生が楽しかったと思ってくださったことがとてもうれしかったです。
それを詠んだ短歌です。
もっと近ければ、毎月でも訪ねたいところです。
私自身、1月は相当に体調を崩していましたが、愛で満たされ、元気をもらった師匠との再会でした。
私のことを忘れても、またごいっしょしたい、まだまだ演奏できる先生であってください、と願います。
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