「 猟犬の愛谷間より椋鳩十 」
猟犬には縁がない。
猟犬と聞くと、作家の椋鳩十さんが思い浮かぶ。
昨年度の小学校教科書改編の振るいにも落ちずに「大造じいさんとガン」は残った。
戦時中に書くものを制限され、動物物にすべてを込めて書いた椋さんの作品は読み手も命そのものに向き合うことになる。
この人ほど筆の力のある人はいないと感じるほどの凄み。
しぶきを上げてほとばしり出る愛。
電車の中で号泣して読んだこともある。
この俳句は猟犬と飼い主とのなんとも悲しく愛おしい物語より。
膝がくず折れるように、心の奥底から地下水のように止めどもなく流れ出る涙。
涙は愛を帯びて川となり流れ落ちる。
ひとり心で叫びながら泣く。
タイトルはつらくて言えません。
ああ、思い出すだけで涙が流れます。
椋鳩十さんの作品は、愛で胸がいっぱいになり、涙が胸からあふれ出て滝のようになります。
感動が大きすぎておいそれとは読めない。
体力と覚悟が要る。
でも、好きな作家の十人に入ります。
感動を求める方におすすめです。
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