「また、同じ夢を見ていた」読後感を。奈ノ花という小学生の女の子と、その大切な友だちとの友情を描いた作品。尻尾のちぎれた彼女と呼ぶ猫、アバズレさん、おばあちゃん、南さん、荻野くんと桐生くん、学校のひとみ先生。物語の所々に「また、同じ夢を見ていた」という言葉が出てきて、不思議な部分があります。最後まで読んでも、その不思議な部分は完全にはわからなくて、すべてが夢の中の出来事だったかのような、部分的には実際にあったことのような、不思議な感覚です。
読後感覚は、極端な遠近法で描かれた絵が、奈ノ花と大切な人々だけをクローズアップして光に映し出し、背景にはままならぬ世の中のあれこれがぼやけているような印象。
物語全般には光る景色が通っていて、生きるっていうこと、しあわせっていうことは、こうして大切なものだけを見つめることなんだと実感します。
不思議さと清らかさと美しい世界観。子どもたちにぜひ読んでほしい作品です。
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