
高校三年生の仲良し5人をめぐる物語。
それぞれが他人の気持ちを記号で見えるという独特の設定。
とても細やかにお互いを理解し合っていたり、ある側面から把握していたり、それを独特の感覚で捉え分けている。
10代は自分探しをしながら他者も理解しようとする時代。
まだ確立していない自分や周りの人たちだから、何かを演じているような枠を感じたり、その中で無理をしたり。
そんな自分探しの時期ってありました。
そこに淡い恋心が絡んでいる。
住野よる作品は大好き。
この方の作品を読んでいて、色恋の前にその人の存在自体が愛おしい、尊い、と感じることの素晴らしさを思う。
「愛おしい、尊い」=「恋愛」ではない。
でも、「恋愛」の土台に「愛おしい、尊い」という思いがなければ、その「恋愛」はすぐに崩れてしまう。
そんなことを改めて考えさせてくれます。
危うい青春時代だけれど、登場人物がみんな素敵で、また思い切り楽しそうで、明るい未来がどんどん開け、光に包まれて終わる。
友だちも、恋心を抱く相手も、尊い存在だと思い合う、友情と淡い恋の物語です。
10代のみなさん、ぜひ読んでくださ〜い!
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます