子どもとうさぎとねこと音楽のある風景

息子いっちゃん(2006年3月生)と3匹のうさぎと3匹のねこのいる歌と琴が好きな主婦の記録

ドリアン助川さんありがとう 小説・映画「あん」

2020年07月01日 | 本の紹介
学生時代に朝日新聞の連載に悩み相談の記事を書かれていて励まされた詩人のドリアン助川さん。
私の一番好きな食べ物、あんこと助川さんの思い出が重なって、この本を読みました。
映画版のおばあさん役は画像で見てしまっていたので、その方のイメージで読みました。

元気で動けるこれからの10年ほどに向けて、何かに焦点を定めるために、思春期のようにあれこれ探しています。

戦争やいじめ、差別をなくしたい。
罪もない人々が虐げられる状況を変えたい。
つらい思いをしている子どもたちや若者がいることにいたたまれない。
なんといっても、子どもを虐待から助けてあげたい。

そのために、焦点を合わせて活動できる方法を探しています。

・・・ここからは「ネタばれ」も入ってしまうかもしれないので、先に本を読みたい、映画を見たい方はここから先はまた今度読んでください。・・・

「あん」は小説を先に読み、今日、映画を見ました。
小説を読んんだ後に映画を見たら、お話の最後がよみがえってきて、泣けてきました。
映画は小説を裏切らない、本当に小説を映像化した、頭の中にあったものが形になったようなすばらしさでした。
でも、小説の方が、それぞれの置かれた状況が胸に迫ってくるので、小説を先に読んだ方がよいかとは思います。

ハンセン病患者がいかに閉じられた世界で生きなければならなかったか。
家族からも縁を断ち切られ、差別を受け、病気への恐怖もある中、自己の尊さを保って生きていくことのその難しさ。
とても重いテーマが根底にあるのですが、どら焼き店の店長と徳江さん、中学生のわかなちゃんとのこころあたたまる物語。

さりげないけれど、とても自然で、大切なあたたかい思い。
こんな、なにげないやさしさを、あたため合えない人がいるという、社会を取り巻く悲しさの大波に襲われて、涙が出てきました。
ちょっとだれかを見つめる。ちょっと声をかける。他愛もない会話を交わす。
こんなことが日常に、人々にたくさんあれば、人々はギスギスしないのに・・・。
匿名でだれかれかまわず叩かなくても済むのに・・・。

子どもたちの力になりたくて、このごろやっていることがあります。
NHKの「マダ友プロジェクト」というサイトで、悩み相談の投稿があり、それに励ましのメールを書くというものです。
https://www.nhk.or.jp/ijimezero/madatomo/
いじめられている子どもたち、ちょっとしたことにつまずいている子どもたちに励ましのメールを送ります。
ぜひ、みなさんもやってみてください。

ドリアンさんは詩人なので、徳江さんという一女性にも詩を託しています。
詩をこころに生きるって、だれにとっても救いになるのだな、と、胸にじーんと感動が広がりました。

重いテーマももちますが、自然のささやきが聞こえてきそうな、日々を生きることの美しさを感じられるような物語。
詩人ドリアンさんならではの美しい世界があります。
和菓子作りもできるドリアンさん。
あんこが大好きで詩も大好きな自分にとっても幾重にも味わえる作品だと改めて思いました!
小豆がどんな雨風を受けてここへたどり着いたのか・・・そこに思いを馳せる徳江さん、すてきです。
世界は尊さに満ちている、そんな広がりを感じさせてくれます。

ドリアンさんに手紙を書こうと決めました。
ドリアンさん、ありがとう!

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