先日、NHKのトーク番組に作家の原田マハさんが出ていた。
前から気になる作家さんにますます興味がわいた。
明るいエッセイのようなお話だと思っていたら、とってもすてきな感動のお話だった。
主人公の「丘えり」ちゃんの人となりに新しい価値観、新しい世界観が広がっていった。
「丘えり」は元アイドルのタレントで唯一レギュラーをもっていた旅番組を自分の失敗から打ち切られて「旅屋」という仕事を始める。
事情があって旅に出られない人の代わりに旅をする「旅屋」。
二人の依頼旅について一話づつ書かれている。
どちらも深刻な事情を抱える依頼で人生について深い感慨を覚えるものの、重苦しいわけではない。
けれど、涙があふれてきて、後半ずっと泣き続けながら読んでいた。
花粉症と相まって目がはれてしまった!
常に人に素直にまっすぐに向き合い、要らないものをまとわない「丘えり」さんの生き方とあり方に新鮮な感動をもらう。
超人的でも聖人君子的でもない素朴な人となりに、見たこともない境地を感じる。
見たことのない、新しい明るい未来を見る思い。
いま、個人的に人間の暗い部分について考えてしまうことがあって、そんな状況の私にはとてもありがたいお話だった。
現実離れしているわけでもないのに、人間のすてきな真髄に触れたような、人間の奥深くから湧いてくる清らかな泉に触れたようなお話でした。
こころがちょっと疲れたとき、人を信じられる一冊です。
一番好きな言葉
「(略)時間が経過するほど、強く美しくなるものが、この世にはあるっていう真実。(略)」
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