「ゆきのひのたんじょうび」
いわさきちひろ・作 絵
至光社
写真 Amazon
小さいころ、一番好きだった絵はいわさきちひろ。
淡くてやさしくて美しくて…。
久しぶりにちひろの絵本を開いた。
余白が多い。
色の淡い絵。
息が広がるような、気持ちがすっとする絵。
詩情がふんわりにじむ絵。
淡いものも、余白も、感じる余裕のない世の中になってしまったような気がする。
ゆったりした時間、はっきりさせなくていいやりとり。
時々、子どもたちに話す機会ががあれば、話していること。
「私が思う、子どもにとって一番大事な時間ってな〜んだ?」
「勉強?」
「お手伝い?」
「遊ぶこと?」
「答えは、ぼーっとすること!」
子どものころ、ぼーっと考えごとをしたり、空想したりする時間が何より豊かな時間だった。楽しい時間だった。そう思います。
この絵本の中にも、ちょっとやるせない気持ちになったちいちゃんがきれいな風景の中でたたずむシーンがあります。
その絵のなんと美しいこと。
清々しいこと。
実は今の子どもたちには、淡い絵は受けません。
アニメのようにはっきりくっきりした絵がピンとくるようで。
写真や動画が出回っていることにも関係ありそうで。
だから、時々、淡くて美しい絵にも触れさせ、慣れさせて、見慣れさせてあげたいと思います。
子どもこそ、はっきりしない思い、言葉にできない思いを抱くものですからね。
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