日本は天国、タイは地獄、って？

　ワタクシにとって、ここの所　ドキッ、とするニュースが続いています。

　ワタクシの前職は、アメリカのたばこメーカーP社でして、もう卒業生ですから　余り気にすることは
無いんですが、そこはワタクシも長年　勤務した組織ですから、ちょっとしたことでも目に入ります。
そのタイ法人のP社が今年になって二つほど、タイ政府とトラブルを起こしています。

　今年の2月には、「L&Mセレクト」のたばこに対して、「クオリティ」「プレミアム」などと云う謳い文句が
「消費者に健康被害が少ない」との誤解を与える可能性が高い為、一ケ月以内に同たばこを回収するよう
警告が出され、指示に従わない場合、P社・タイランドに40万バーツの罰金刑が科せられる所でした。

また　今月初めには、03年から4年間にわたり「L&M」や「マルボロ」のたばこ輸入価格を実際より低く
申告し、たばこ税を脱税した容疑で、P社タイランドの役員らが書類送検されました。被害額は
約700億バーツに　（約1,960億円）　上るとしています・・・　どうなることやら？

　喫煙対策で世界的評価を受けているタイですが、依然、喫煙者の数は約1,100万人に上っており、
肺がん、心臓病など、喫煙が原因の一つでもある疾病の治療に毎年約600億バーツが費やされている
そうです。この国の医療費負担を軽減させようと、昨年から禁煙治療に国民健康保険を適用させる準備が
進められていましたが、どうなったでしょう？　禁煙治療が安価で受けられる、なんてタイらしいですよネ。

なんでも保険対象となる喫煙治療薬は、抗うつ剤としても知られるノルトリプチンで、費用は1錠あたり
1バーツ。これを三か月間で270錠服用するんだそうです・・・　これで止められたら安いですよねぇ～　

　タイの薬は効く、と云う定評がありますからかなり期待できるんじゃないですか？　日本人で　なかなか
タバコを止められない人はこの薬を入手してはどうでしょう、な～んてネ・・・　
いずれ　タバコを敵視している？関係者は、医療費負担の軽減に大いに期待しているようです。

　喫煙者にとって、タイが地獄なら日本はまだまだ天国です！

　日本では、成人識別カード「taspo（タスポ）」が、昨年7月に全国稼働し、未成年者の喫煙防止対策が
整ったと判断され、自粛していた自動販売機での深夜の販売を解禁しています。たばこ業界は96年から
午後11時から午前5時の夜間の販売を自粛してきましたが、現在は各販売店の判断に委ねています。

　レストランの喫煙者エリアは勿論ですが、喫煙スペースがある新幹線なんて、世界的に見ても日本だけ、
また薬屋さんでタバコを販売しているのも日本だけでしょう。タバコ税の大幅引き上げも頓挫の連続で、
急速に進んだように見える日本の禁煙行政も、外国から見ればまだまだ遅れています。
　喫煙者にとってタイは地獄、日本は天国、禁煙者は　まったく　その逆ですネ。



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