タイでの苦々しい思い出？ ②

現在　タイの刑務所で服役中の日本人が十数名いると聞きます。買春、傷害、賭博
などは何かと減刑の方法はあるようですが、麻薬の所持など麻薬関係で逮捕されると、
外国人でも逃げる道は無いようです。
25年以上とも無期とも言われます。しかしお隣のマレーシア、シンガポールでは、
もっと厳しく外国人とはいえ、内容によっては死刑が待っています。

当時のワタクシは、そんな犯罪の種類も、罪によって、自分がどうなるか？なんて
知識も無ければ、知る由もありませんから、ただ　“これからどうなっちゃうんだろう？　
強制送還か？　一生刑務所暮らしか？”と一睡も出来ずに不安ばかりが大きく膨らんで
いく一夜を過ごしました。

親しげに話しかけてくるアメリカ人を、こんな目に合わせたタイ人に見立てて何度殴って
やろうかと思ったことか、でも彼はワタクシには関係の無いただの酔っ払いの陽気な外人です・・・　
“お前はどうすんだよ”と泣きたくなりました。

ここタイでは、トラブルに遭遇することを考慮して、起業を考えている人は弁護士、長期
滞在する人は、相談に乗ってくれる人とのコネは最初に作るべきだと言われます。

また裁判では通訳は付きませんので、自分で通訳を雇わなければなりません。日本語の
できる弁護士は稀でしょうから、英語を理解する弁護士を雇うか、バンコクなら日本語の
達者な通訳は多くいます。少しでも有利に裁判を進めるには優秀な通訳が必要です。

こういう諸事情も今だから知ったように言えますが、その当時は通訳云々なんて考えた
事もありません。

なが～い、なが～い、一夜が明けました。鉄格子のかかったブタ小屋のようなワタクシ達の
部屋の前を、横目で睨みながら、警察官たちがゾロゾロと朝のご出勤です。ワタクシも必死です。

これからの人生が決まるかも知れません！頼りになりそうな、優しそうな警察官に声をかけます。
「コー　トラサップ！コー　トラサップ！」と・・・　電話を掛けさせて、と言っているつもりですが、
これでは電話を下さい、と言っているすぎません。正式な言い方では・・・どうでもいいですネ、こんなこと。

ともかく　ワタクシの先輩Tさんに一報して事情を聞いてほしい一念です。そして　ここに
来て貰えればと必死です。ここで一生過ごすにしても、タイに来ることに大反対した日本の
両親には、変な犯罪で、自分が犯した罪で服役するのでは無いことを含めて、正しい情報を
伝えて欲しい・・・という思いが、強かったのが今でも忘れません。

今までの人生の中で一番、必死な真摯な姿だったのでは、と今でも思います。
またまた　明日に続く (自分がそうだったらと、置き換えて読んでください。笑えませんよ）


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