日本で急用ができ帰ってきましたが、久しぶりにタイ国際航空 (TG) を利用しました ・・・
利用したというより、日本航空や全日空の1カ月以内のチケットが取れず、止む無く TG で
帰ってきたという情況です。 考えてみれば今の時期は日本人駐在員の帰国ラッシュなんですネ。
昔と乗客も大きく変わりましたネ。 座席の周りに欧米人がおらず、はるか かなたに数名見える程度。
多い順にタイ人・日本人・中国人・韓国人ばかりです。 少し前は欧米人も多かったんですがねぇ~
振り返ると1959年、国内航空会社 「タイ航空 (Thai Airways Company)」 (70%) と
「スカンジナビア航空 (SAS)」 (30%) の合弁事業として設立されましたので、北欧3国
(スウェーデン、デンマーク、ノルウェー) 共同で運航する航空会社でした ・・・
その後、1971年にオーストラリアに、1972年にヨーロッパに、1980年には北アメリカへの運航を開始、
ネットワークも拡充し、1977年にタイ政府が全株式を取得して、独立 叶ってタイ国際航空に ・・・
1988年には株式を一部公開し半官半民事業会社となりましたが、その後もスカンジナビア航空と密接な
関係を保っていますので、欧米人の乗客も多かったんですヨ。 今ではタイ国の代表を意味する 「フラッグ・
キャリア」 であり、アジアのみならず世界でも有数な規模を持つ航空会社で 大企業の一つとなりました。
しかし、今は立ち直っていますが 以前の日本航空と一緒ですネ。 その半官半民事業の体質がタイ国際航空を
苦境に追いやっています。 ここ何年か、クーデターなど政治動乱の不運もありましたが、タイ人の旅行ブームには
子会社のLCCもエアアジア航空に負けてしまい、近年のタイ航空は 毎年 赤字続きで ヒイヒイ言っています。
現在も黒字化に向けて、リストラや不採算路線の廃止などを懸命に進めていますので、赤字幅を縮小させるも
2013年が120.5億バーツ、14年が156.1億バーツ、昨年が130.5億バーツと3年連続の赤字となっています。
コスト削減を急ぐ必要もありますので、昨年に続いて今年も早期退職者を募集していますネ。
昨年は2,000人を募集し、約1,400人が応募。 早期退職関連のコストは33.8億バーツでしたが、
再度 早期退職を促すため、今年は20億バーツの予算を投じる計画だそうです。
今やタイはLCCの旅客が増加を続けていると共に、航空市場におけるシェアも拡大の一途をたどってる
わけですから、子会社のノックエアも頑張ななければいけないのに、先月などはパイロットが
ストライキをした影響で、国内線9便が欠航し 約1,500人の乗客が影響を受けています。
半官半民会社は大きな変化について来れないのは、世界どこの国の会社も一緒のようです。
マレーシア系のタイエアアジアなんかに負けていてはいけないんですけどねぇ~
よほど大きな改革が必要のようです。 タイ国際航空も日航を建て直した稲盛和夫氏の
ような人が出てこないとダメなんでしょうネ。 一丁 ワタシが乗り出しますかぁ~
非常に参考になります。 これからも宜しくお願いします。
日本人駐在員の人事異動、大学生の卒業旅行など年間で一番チケットが取りにくい季節です。
今年はサクラ見物の訪日タイ人でソンクラーン時の空席が一段と厳しくなっています。
タイ国際航空の再建は困難ですね。というのは、タイ国では軍部が多くの有力企業を支配下に置いており、タイ国際航空もタイ空軍の支配下にありますから。
タイの軍幹部が多額の蓄財ができ、驚くほどの資産を保有してるのは、多くの企業の幹部を兼職してるからです。
日本航空は会社更生法の適用で、会社は蘇生しましたが、株式会社は借金を棒引きすれば、健康体に戻ります。
稲盛氏がJALの幹部連中の無責任体質を矯正し経営再建に一役買いましたが、それはエピソードに過ぎません。
タイ国際航空の再建と並んで問題なのが、タイの航空業界の遅れた体質です。
タイの航空業界のレベルは低く、欧米の業界からは国際安全基準に達していないということで、新規就航が禁止されています。
タイ国経済は「中進国」になりましたが、航空業界は相変わらず「発展途上国」のままです。
今回のノックエアーのパイロットのストライキも、国際安全基準が原因です。国債安全基準を満たさないパイロットを首にしたら、パイロットが反発したと言う事情です。
ノックエアーはタイ国際航空が40%の株式を握っていますが、昨年タイ証券取引所に上場し、社長である王室系のパデイー・サラシン氏はTGとは距離を置いた独立経営を目指しています。
余談ですが・・・・
原油価格の暴落で、4月以降分からサーチャージが廃止されますが、JAL、ANAは、サーチャージ廃止分の6,000円が減収になるので、ちゃっかり、2月25日発売分から、チケットの本体価格を6,000円値上げしています。まあ、世の中、こんなもんでしょうね。