昨日の記者会見でタイ前進党のピター党首は、8党による313議席で連立政権の樹立を
目指す構想を明らかにしました。1位・2位を争ったタイ貢献党も同意したようです。
前進党の152議席とタイ貢献党の141議席、国民党の9議席、タイ建設党の6議席のほか、
4党も同意し313議席になる模様です。今後の上院議員との駆け引きでどうなるか? …
今後の流れは、まず憲法85条の規定により中央選挙管理委員会(選管)は、5月14日
投開票の総選挙当選者の正式発表を7月13日までに行なわなければなりません。その結果に
不満のある候補者や有権者は、発表から30日以内に選管にその旨を訴え出ることができます。
選挙結果の正式発表から15日以内に開催される特別国会で正副国会議長(議長及び副議長)を
選出。その後に開かれる国会で、上下両院議員750人の投票で376票以上を得た候補者が
首相に選出されます。首相指名で問題がない場合、組閣、国王陛下に対する新閣僚の
宣誓式を経てからですから、8月初めごろに新内閣が正式に発足する見通しとなります。
<上院議員の250人がカギを握ります>
既に上院議員の何人かは、新政権の支持を証明しており、与党第3党で、総選挙で25議席を
獲得した民主党も首相候補としてピター氏を支持するとの声明を発表しました。 民主党は、
野党として活動するとしていますが、“国民の声を尊重し、速やかな政権移行を重視する” と
党の方針を示しました。結果 338議席であと38議席。ピター氏は、支持派の上院議員と
民主党に対して、“国民の投票を尊重する姿勢に感謝する” とコメントしています。
8党との新政権樹立に向けた覚書は、22日に結ばれる予定ですが、問題は、前進党が不敬罪に
あたる刑法112条の改正を公約に掲げていることです。 各党の一部議員や上院議員に対し、
改正実現に向けて障壁を取り除けられるか、ですネ。ピター氏は、“22日の覚書締結後に協議を
開始する” としていますが、上院議員との交渉は、対策チームを設け事に当たるようです。
奇しくも5月22日は、2014年に国軍がクーデターで政権を奪取した日、何かを感じます。
上院議員の間でも、“前進党が求めている不敬罪廃止は王室軽視を意味しており、
このような政党の代表を首相に推すことはできない“ という意見も多くあります。
ただ、もしピター氏が首相に選出された場合、不敬罪の法改正を公約にしている政党の党首を
現国王が首相としてピター氏を任命するのかなぁ~? 民意がそうであっても、国王が任命
しなければ首相になることは憲法上できないという声も … まだ流動的ですが、見守りましょ。
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