一昨日の13日は、タイ国民に最も敬愛されたプミポン国王(ラマ9世)の命日でした。
16年に崩御されましたから6年が経ったことに ・・・ 月日が経つのは実に早いものです。
この日に合わせて、バンコク都内ドゥシット区にあった王立競馬場跡地を再開発することに
よって造られたチャルーム プラキアット公園(Chalerm Phrakiat Park)に、プミポン前国王
(高さ7.7メートル)の立像が建てられ、その除幕式と記念式典が催されました。
これからは同公園を「ラマ9世大王記念公園」とも呼ばれることになります。
同記念公園はチットラダー宮殿近くにあります。プミポン前国王がチットラダー離宮に
起居したことから、現在は同宮殿にワチラロンコン国王の住居とオフィスがあり、タイ王室の
中枢です。現在、観光名所にもなり儀式などを行なうあの王宮は、形式的な建物になっています。
「ラマ9世大王記念公園」は現在 建設中で、2018年に閉鎖された競馬場とスポーツクラブ
「ロイヤル ターフクラブ オブ タイランド(面積は約45ヘクタール)」の跡地で、完成は
2024年の予定だそうです。それからは、ルンピニ公園前にラマ6世王の銅像のように、
「ラマ9世大王記念公園」前でプミポン前国王が、バンコク都を見守るのでしょう。
処で英国のエリザベス女王(96歳)は、君主を70年と214日務められ、国葬が行なわれたばかり
ですが、プミポン前国王も88歳で亡くなられるまで70年と125日務められ、荼毘された17年
10月に国葬(25日~29日)が営まれました。 日本からは秋篠宮ご夫妻が出席されました。
エリザベス女王は1952年に父の国王ジョージ6世が崩御し、25歳の若年にして英国女王に
即位しましたが、故プミポン国王は1946年に兄のラマ8世が急死したため、兄王の崩御の
12時間後に18歳でタイ国王に即位しています。共に若くして国王に就かれた70年間でした。
同公園は在位中、多くの国民に愛されていたプミポン前国王の功績を称え造形された公園です。
それではと、現ワチラロンコン国王が、在位期間70年にわたる間、タイ国民へ献身的に尽く
されたプミポン国王への感謝の念を表すものとして、立像の制作を指示したといいます。
除幕式には、ワチラロンコン国王ご夫妻、プラユット首相らが出席して行なわれました。
プミポン大王とワチラロンコン国王陛下のカラーである黄色のシャツや、明るい色のシャツに
身を包んだ大勢の一般市民など、数千人が参列しました。そう言えば ワチラロンコン国王、
画像や映像で見る限り、随分と落ち着いた雰囲気になられました。このことは何よりです。
プミポン前国王時代にタイの経済が発展し、国民が豊かになったのは事実ですが・・・政治的には、王室と軍部が結託して統治する、タイ式民主主義が定着し、1932年の立憲民主主義とは全くかけ離れた政治体制が続いています。
いつになったら、タイの国民が主権を持つ、本来の民主主義はやってくるのでしょうか?
もし、プミポン前国王が在任時代に、刑法112条、いわゆる不敬罪を自ら廃止していたら・・・本当の名君になっていたでしょう。
不敬罪の存在が、タイの民主主義を決定的に阻害しています。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/184378/2