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タイの不敬罪について思うこと ・・・ その2

2014年12月17日 | タイの名所、名物、料理
  
 今の時代に、不敬罪という法律がある国は イスラム教で君主制のサウジアラビアやクウェート?
あとは、北朝鮮も将軍様の悪口など言うと、不敬罪に問われるのかな?   近代国家となったタイに
不敬罪が存在するなんて、ちょっと信じられませんよネ。 昨日からの続きです ・・・

ニューヨークに本部を 置く人権保護団体ヒューマン・ライツ・ウォッチによると、タイでは1990年~
2005年にかけ、不敬罪の裁判は年5件程度だったのが、反王室のイメージがあるタクシン元首相派と
特権階級を 中心とする反タクシン派の抗争が激化した2006年以降は、累計数百件に上ったそうです。

 

 そんな中、2年前かな、海外からの圧力となった国連の専門家から不敬罪の是非論が出たのが
きっかけで、タマサート大学の法律学者からなるグループ・ニティラットも、不敬罪を 規定した法改正を

求めたため、国中が大騒ぎになりました。 当時、タイのニュース報道で 「112 」 という数字が よく
出てきました。 何のことかと言えば、王室に対する不敬罪を 規定している刑法112 条のことでした。 

「罰則が重すぎる」 「言論の自由に反する」 という意見が出て、内容の一部変更の求めに対し、政府は
素早い対応を 見せました。 国会は与野党の9党すべてが、不敬罪を 規定した刑法112 条、王室に
言及した憲法の条文のいずれも 改正しないことで、意見が一致しています。

 

当時の政権は、就任して間もないインラック前首相でしたが、これほど猛スピードで与野党9党
すべてが統一を 図られたのは、前にも先にもないでしょうネ。 もちろん 国民も大賛成でした。

その時 インラック前首相は、「君主は守らなければならないし、王制については、介入したり、
利用したりしてはならない。 改正論者は “言論の自由” の重要性を 強調しているが、政府は、

 

言論の自由より王室を 護持するほうが大切だ」 と、タクシン派としては思い切った所感を 述べて
いました。 いや反王室のイメージがあるタクシン派だからこそ、そう述べたのかも知れません ・・・

 この流れの中で、いち早く激怒したのが当時の陸軍司令官で、現在のプラユット首相でした。 
「君主を 軽んじるもので、君主や国民感情を 傷つける行為は、すべてやめるべきだ」 との
明言は、今でも 語り草になっていると聞いています。 

 

今年の5月、タイ刑事裁判所は ニュージーランド在住の65歳のタイ人女性に不敬罪で禁錮1年、執行
猶予3年の判決を 下しています。 彼女は2012年7月、バンコクの憲法裁判所前のプミポン国王の

肖像画に向かい侮辱的なジェスチャーを したとして、逮捕、こう留されていました。 刑事裁は被告を
有罪と認めましたが、躁うつ病を 患っていることから、執行猶予付きの判決となっています。
 このような行為は 別として、早く不敬罪を 含めて言論の自由を 語られる国になってほしいですネ。  


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